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「どちらかが時間停止能力者のようだ」のあとがき


【義妹か】どちらかが時間停止能力者(スケベ)のようだ【幼馴染か】

が完結しました。
解説、反省、所感をここに残しておきます。パソコンの中に入れておくと膨大なテキストに埋もれてしまうので。だらだらと長くてつまらない文章になりますが、構わない人は読んでいってね。


 まずこの作品ができた経緯から。

 普段はラブコメは読まないし書かないのですが、ラブコメもファンタジーと同じくらい人気なジャンルなので何か書けないかなあと思っていた頃。ふと閃いたのです。普通は男が時間停止をして好き放題するが、これをひっくり返してみてはどうか、と。ここからアイデアを膨らませました。時間停止モノは基本的には「女性は誰に何をされたのかはっきりと理解しない」のが特徴です。これはひっくり返してみても同じで、「主人公は誰にイタズラをされているのか分からない」という特徴を持つべきでしょう。

 しかしここで大問題が発生します。主人公が誰に何をされているか理解できないラブコメなんてありえない、ということ。名前も顔も性別さえ不明なナニカにチンコをいじられているらしい……なんて状況はラブコメではなくホラーですよね。

 その解決策は、時間停止能力者の候補を数人に絞ってしまうこと。ヒロインが複数いれば「正体不明の時間停止能力者」というものが成立して、ヒロインそれぞれとの関係性を描くことでラブコメになります。主人公は自分を取り巻くヒロインの中に時間停止能力者がいると確信し、正体を突き止めるべく奔走するわけですね。あれれ、これってほんとにラブコメ? サスペンスかミステリーじゃない? なんて疑問は置いておいて、さらに次のステップへ。

 この時点でヒロインが複数いることが確定してしまいました。これがラブコメ初心者の私にはつらかった。一対一の恋愛も書いたことないのに、一対多の恋愛なんて書けないよ! それに私はハッピーエンド至上主義なので、物語の終わりで一人のヒロインを選ぶってのが嫌いです。他の子たちも幸せにしてあげてよ! ということでハーレムエンドが確定しました。

 オーマイガー。犯人捜しのミステリー要素あり、正体不明の能力者というサスペンス要素あり、時間停止というファンタジー要素あり、さらに複数ヒロインでハーレムエンド。難しすぎる! せめてヒロインは二人だな……となりました。義妹と幼馴染を選んだことに理由はありません。

 この時点でこのアイデアはボツかもなと思いました。しかし思い付いたタイトルが魅力的すぎて書くことを決めたのです。最初は「義妹か、幼馴染か、どちらかが時間停止能力者のようだ」というタイトルでした。こんな面白そうなタイトル絶対クリックするだろと思ってノリノリで書き始めたわけですね。

 ここまでが作品ができた経緯。あとは特に解説することはないでしょう。"義妹"ということは親の再婚があって、ならば親の片方はいなくなっていて、幼馴染はそれを支えてくれていて……となればキャラクターはおのずと膨らんでいきます。そしてハーレムエンドに向けてダブルヒロインとの関係性を変化させていけば形になりますね。

 全体の仕上がりとしてはわりと納得しています。素人の初心者がこんな難しい題材をまとめただけでもすごい。頑張りました。


 あとは反省。

 まず、作家歴が浅いというのもあって文体が固まっていなかったこと。今は文体が固まり、セリフ多めで簡潔な文体の三人称という方向性で腕を磨くつもりです。一人称はすごく苦手で、この作品を書くのにもとても苦労しました。しかも三つか四つの小説を同時並行して書いていたので主人公が混じってしまう……

 それから10万字くらいで完結させるか長期連載にするか迷った状態で投稿をはじめたこと。実は作品内時間で一年間くらいかけてじっくり描こうかなとも思っていたのです。でも「時間停止能力者はカエデか? シオンか?」という一本だけで一年間の動きを書くのは無理だと思ったので、10万字を目安にして五日の中におさまりました。これを決めずに10話くらいまで書いてたので、序盤の明るいノリと中盤の辛い葛藤のギャップがでかすぎると思うのです。もちろん悪い意味で。

 反省はこんな感じですかね。まあ書き込みが足りないとかキャラが薄っぺらとかコメディが面白くないとかいろいろありますけど、それは分かりきってるのでここに詳細は残しません。


 あとは所感を。

 ラブコメって難しい! ファンタジーはうざい敵を出してそれを倒せば成り立つのでとても簡単だと理解できました。

 それにラブコメの基本ってストーリーが動かなくても胸がキュンキュンするようなものだと思うのです。変化のない日常でも面白くてかわいくて魅力的。私にはそれが書けません。ストーリーがないとキャラが動いてくれないのです…… これはキャラがストーリーの奴隷だということ。ファンタジーならそれでもなんとかなるけど、ラブコメではあまりよくない。
 この作品も純粋なラブコメとは言い難いですよね。ラブコメというより現代ファンタジーとするべきかも。

 ちなみに書くうえで頭の中にあったのは、「この中に一人妹がいる!」「山田君と七人の魔女」「世界か彼女か選べない」などです。

 今後、もしかしたら後日談を書くかもしれません。残り二年の彼らの日々とか、卒業後とか。あまり期待せず待っていてください。

 ここまで読んでくれた人は本当にありがとうございます。ぜひ私「訳者ヒロト」をフォローしてください。ラブコメはあまり書きませんが、ファンタジーも好きという読者様は私の別作品も読んでみてね。おすすめは「スパイ勇者、魔族学園でモンスター娘たちにバレまくる」です。異世界ファンタジーですが恋愛要素も強めなのでわりとラブコメ読者層にも好まれると思います。

 ということで、長々と書きました。ありがとう!


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