第39話 あなたの作品は、面白いですか?

 前回の記事に「数多くの三国志ものの中で目立つように、毎回見せ場をつくり、次回が気になるような文末にした」とあるが、その見せ場をどうやってつくるのかについて書かなかった。これは多くの書き手さんが悩む点だと思う。そこで今回は、私が見せ場をどうやってつくったかについて書くことにする。


 見せ場をどうやってつくったか。 

 ずばり、私が「これは盛り上がる展開だぞ」とか「ここで終われば次回が気になるぞ」と思う内容を書いたのである。


 なんだ、そんなことか、と、ブラウザバックする前に、もう少しお目を拝借したい。

 つまり作者であるあなたが、自分が今書いている作品を面白がれるか、が重要なのだと言いたいのである。


 誰もが自分が書く小説に思い入れをもっている。

 その思い入れを持続できるか。

 恥ずかしがらずに「これが私が書いた小説だ! 読んでもらって絶対に損はさせない! だから読んで!」と叫ぶような気持ちで投稿しているか。


 「小説家になろう」に投稿している時の私は、完全に戦闘モードに入っていた。他の作者の作品よりも一歩どころか百歩抜きんでなければ読まれない。はっきり言って他の三国志ものを書いている作家は全員、敵だと思っていた。連中に勝たなければ読んでもらえない。書籍化された作品だろうが、ポイントを万単位で稼いでいようが、連載中はみな、横並びだ。

 毎日投稿する、これは地味だがもっとも効果のある手段である。完結を保証するつまり「エタらない」作家だと認識されるためだ。

 個人的な見解だが、「小説家になろう」を利用する人は非常に打算的だ。平気で連載作品を飛ばし読みするし、つまみ食いのように読む。評価ボタンすら押さない。つまり彼ら彼女らは、私たちが眠いのを我慢して、日々の勤めで消耗したメンタルに鞭打って書いた小説をただ、消費するだけだ。まるで暑い日に自動販売機で買って飲む清涼飲料水のように、飲んだらそこでおしまい。空になったペットボトルを投げ捨てるように、読んだ小説を投げ捨てる。一緒にがんばろうね、と書き手たちがあたたかく支えあうカクヨムと大きく異なる点である。

 だからこそ、彼ら彼女らの注意を引き付けることに私は力を注いだのである。舌で味わい喉を通り過ぎるあいだにも、強烈な印象を残せるように。

 

 だからどうしたか。毎日投稿した。各話のサブタイトルを「こんなタイトルなら私が読みたい」と思うものにした。カクヨムには二、三話まとめて掲載しているが、それでもサブタイトルは工夫してつけている。詳しくは文末のリンク集から確認できますので、参考になれば幸いです。


 あなたの作品は、面白いですか?

 「はい!」と即答できるなら、信じて書き続けてください。

 もし返事に困るようであれば、一度キーボードを打つ手を止めて、考えてください。

 そのくらい重要な問いだと、私は考えています。



【カクヨムコンテスト応募作品はこちら】


★長編


一 「我ら曹魏の男」

https://kakuyomu.jp/works/16818093073870545686


二 「我が名は曹飛将」

https://kakuyomu.jp/works/16818093084499285834


三 「晋よ曹魏の上に立て」

https://kakuyomu.jp/works/16818093089251739920


四 「総務課の沢渡くん」

https://kakuyomu.jp/works/16818093085215443547



★短編

一 「製造課のアレサンドラ」

https://kakuyomu.jp/works/16818093089260289290


二 「キャッチボールをしようじゃないか」

https://kakuyomu.jp/works/16818093090667731073



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