第1章 社会性と人間性の貸借対照表
第1話 人間性の基本は、純資産=資本 にあり
本来簿記の解説ならば借方のほうから行くのが普通でしょうが、ここではあえて貸方の下方に位置する、純資産(資本)の項から解説していきます。
なぜか?
それは、人間経営をしていく上で一番肝心要となるファクターであるから。
それに、尽きます。
本来の商業簿記における純資産欄は、資本金などが記される場所であります。それはその企業体の元手となる金額が記されているところで、その大小によってその企業の規模を図ることができるというものでもありますね。
にんげんだって、いっしょだよ!
ま、法学上では自然人の他に法人という概念があって、法人というのはその定款で定められたこと「しか」できない建前となっております。しかし裏を返せば、その定款で定められた範囲であれば、何でもできるというわけです。それも、自然人であるあなたや私と同じことが、別の人格で、ね。
ある意味ここでのお話は、今先ほど話した基礎法学の話の逆です。
会社の会計で示されていることは、人間個人に対しても示し得る。
そういうわけです。
ただし、会社のように具体的数値になるわけではない。
そこは、一応予め、お断り申し上げておきましょう。
この純資産というのは、発起人ら自らの投資によって会社が得ている財産というわけですけど、人間経営においては、商業簿記以上にこの項目は重要性を持って語らなければならないところです。
何と言いましても、この自己資本としての人間性の基盤がしっかりしていないとどうなるかを考えれば、それは明らかとなりましょう。
そもそもこの部分は、幼少期、否、生れてからこの方、親や周囲の大人たちや年長の子らによって日々育まれてきた中で育っていくものなのです。資本金のように出したらあとはよろしで済むものではありません。また、基本的に会社などとは比にもならぬほど、この部分はそれこそ毎日の努力によって「増資」していかなければならぬところと言っても過言ではありません。
ですから、この部分がきちんと育まれていないことによってどんな問題が起こり得るか、考えただけでもぞっとします。
ここはひとつ、以前執筆した作品群の重要部分を引用しておきます。
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https://kakuyomu.jp/works/16817330656910794572/episodes/16817330660501986275
↑ 第63話 人間は体が資本、人間性は・・・
資本の欄に当てはまるもの、それこそが、言うなら人間性の基礎基本というものでありまして、これこそ、乳幼児期に育まれていなければならないものであるところであります。
そこはもちろん、その後の成長によって、企業で言うなら「資本金の増資」にあたるような形での増加も見込めないものではありませんが、それは言うなら先天的もしくは半先天的に養われるべきところでありますから、早めにきちんと措置をしていないと社会性において厳しいところが出てくることとなりかねません。
野球選手に限らず、人間というものは生きていく上では「体=身体」が資本であるという言い方がありますが、まさに人間性というものもまた、この先天的もしくは半先天的にはぐくまれたものこそが、その人間の社会性を発揮していく上において「資本金」と言ってもいいほどの土台となり得るものであります。
資本金であれ負債であれ、企業であればこれは元をただせば原理的には現金であるからまあこの際どちらであっても跡がよければすべて良しの側面もありますけど、人間そのもののバランスシートにおいては、この「資本」の部分はそのような匙加減は決して楽なものではないということも申し添えておく必要があります。
決して、後天的なものや負債におけるもので補えないとは言いませんが、補うのに苦労するシロモノとなることは、言うまでもありません。
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以上が2年前に私が「最終戦争」と称する作品群にて記述した表現です。
ここをじっくりお読みいただければ、人間経営における「純資産」に相当する人間性の部分の重要性が御理解いただけると存じます。
実はこの話、商業簿記以上に「貸方」の重要性が高いのです。
そして、その貸方内での動きについても、追って述べて参ります。
次回は、同じく 貸方=人間性 の上部、負債の部分について論じます。
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