灰色のカーテン
@chichisama
第1話
12年ぶりに地元の図書館へ行った。当時発行した貸出カードは勿論無い。勉強スペースにはスマートフォンをいじる受験生がたくさんいて、鬱陶しく感じた。気になる題名の本を手に取ってあらすじを読むがいまいちどれもピンとこない結局なにも借りないまま図書館を後にする。こういうことをするのは今日で6度目だ。
題名が気になり知ろうとするが書き出しとあらすじだけを見て薄いなと感じいつも辞めてしまう、人間関係においてもいつもそうだ。基本的に嫌いから入るので好きに変わることはまあ少ない。たくさん友人がいる人が心底羨ましい。家族からも心配されているがそこは架空の友人を使って乗り切っている。
そんな私は今年で26歳になる。
周りのスピードについていけず毎日家にいる、流石にまずいと思ってマッチングアプリを始めてみた。ありきたりな質問、退屈。中にはヤリモクの人もいた、それよりも腹が立ったのはmbtiを聞かれた時だ。全て無視した。そして自分の家から1km圏内の男性とマッチングし怖くなりすぐに辞めた。
26歳社会に適合できていない女がマッチングアプリを通して様々な人間に出会う物語をみんな想像していると思うがそうじゃあない。
灰色のカーテン @chichisama
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