告白と目撃と気まずさ

俺、西野かなたは今日も体育館倉庫で昼飯を食っていた。


体育館倉庫は横窓からの日差しとマットもあって昼寝し放題!!ボッチライフを過ごすのに最適なのだ。

それに誰も来ないからスマホを使っても先生やうるさい委員長もいない注意されることなんてない。マジ最高!!


そんな感じで快適に過ごしていたのに扉の向こう側から話し声が聞こえてきた。

ここにいることがバレると嫌なので飛び箱の一番上の段を取って中に隠れた。


ゴロゴロと扉が開いた。

男女の二人組が入ってきた。

女の方が扉を閉める。


「話ってなんだよ」


男が女に尋ねた。


「え、っとね好きです、付き合ってください」


昭和かよ!!

今の時代の告白ってさLIMEとか電話とかじゃないの?それに場所も体育館倉庫?なにそれ?もっとマシなとこ選べよ!!学校の帰り道とか放課後の空き教室とかさ!!

学校にも告白できるとこ他にあるじゃん!!高校生らしく行こうよー、体育館倉庫ってないよー、ロマンチックな雰囲気出ないし、もうやる気しかないやん。


「・・・」


男の方は黙っている。

うん、気持ちはわかるぞ。体育館倉庫だもんな。

俺は片手に持ってる胡桃アンパンを頬張った。


「ごめん。俺好きな人いるんだ。」


振ったーーーーー!!


「そっか、ごめんねこんなとこに呼び出して、」


そうだぞ、場所が悪い。俺の邪魔もすんな。


「じゃあ、私もう行くね」


女は扉を開けて出ようとする。


「あれ、開かない」


えっ


「閉じ込められちゃったみたい」


「えっ」


へ?

振られた女と振った男とおんなじ空間に閉じ込められたってマジすか?


続く


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超短編集 森林幹 @moribayasimiki5082

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