第5話 召喚されるもの

 変なおじさんは、ゴマキトウなるものをやりながらぶつぶつと拝んでいた。そのときに、炎が人の形のようにゆらゆらとゆらめいた。「?!」僕は驚いて腰を抜かしそうになった。お化けの類はあんまり好きではない。

「あれは、お不動様よ。炎の中から来てくださるの」と、奥さんが言う。まるで日常のように。

お不動産の炎は、こちらをチラッと見た。ゾッとする。本当に仏なのだろうか。

「あー、君の前世の罪のことで話があると言ってらっしゃる。君は前世でも、神々に色々言われたのに怠慢をして、何もしなかったらしいね」男がそのように言った。

僕は馬鹿馬鹿しいと思いつつ、怒らせたら何をするか分からないと思い「そうですか。なにか、ご供養とかした方がいいですか」と聞いた。

「君は光の戦士になって、宇宙で戦う神々や仏と、一緒に戦わなきゃならない。うん、そういう戦士の生まれ変わりだね」

はあ?ど、どこで戦うんだよ…光の戦士って、あのアメリカの大統領になった人か?

「まあ、君の狐は君を案内したいと言っているが、それは出来ないようにした。今後、導いてくださるのはお不動様だからね。いうことをよく聞いて、たくさんの天岩戸開きをして、神々が戦えるように解放すべきだ」と言う。僕は訳がわからなくなっていた。何を言ってるんだ…僕のブログなんか可愛いもんじゃないか。選民思想に、陰謀論だろ。それに加担しろってか。

「僕はやりたくないです」とはっきり言った。

男は「きええええい!!」と叫び、僕はびっくりして飛び上がった。

「この者の煩悩を断ち切りたまえ!きえええええええ」

煩悩?僕の言ったことは煩悩で処理されるのか!

「取り敢えず、君の実家の近くにある龍神さんを解放するところからだ。いいね」

僕の言葉は完全に無視され、彼女や彼らは、僕のプランを勝手に練っているようだった。

僕が何かをするって?そんな、バチが当たりそうだ…頭を抱えて悩んだ末に、僕はこっそりと逃亡を計画していた。

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人の中にある宇宙、その名が神としたら 剣の君 @Tsurugi-no-kimi

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