「でもその本がどこにあるかは誰にもわからないの」
「どこにあるかがわからないなんて、どうしようもないじゃないか」
「どうしようもないでしょうね。でも、今はなくてもこれから出来上がるかもしれない」
「そういうことが実際に起こるの?」
「ときどき起こるの。二ヶ月か三ヶ月に一度くらいかな。人が急に変わったように書き出して、どれだけくだらないと思っても書くのをやめられないの。そうするとこの辺の人は言うの、あれは創作の神のいたずらだって」
「あまり良いいたずらじゃなさそうだね」
「ひどいいたずらよ」
「考えただけでも身の毛がよだつな」
「ちゃんと自分が書くべきものを見極めて、そこから離れちゃ駄目よ」
「離れないよ」
「あなたなら絶対に大丈夫」
「絶対に?」
「絶対に」
ぬりや様に絶対は無かった……w
(面白すぎました……)