334:サヨナラ名無し事件

この記事は残酷な内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。

334:サヨナラ名無し事件は、20〇〇年3月29日、〇〇ハニーラビッツ所属のビリー・ザ・木戸氏が〇〇都〇〇区内の自宅でバラバラ死体となって発見された事件である。

当時、木戸氏と連絡が着かないことを不審がった同チームの馬頭荒斗氏が木戸氏の自宅を訪れたところ、事件が発覚した。

木戸氏の遺体は14個にも切断され庭に打ち捨てられており、いずれも損傷が激しい状態だった。

本事件は有名選手が猟奇的に殺害されたという点に加え、犯人がインターネット掲示板に木戸氏殺害を仄めかす旨の書き込みを行っていたにも関わらず未だ逮捕に至っていないためマスコミに度々取り上げられている。

以下該当掲示板より一部抜粋

332：サヨナラ名無し　20〇〇年3月29日 1:14:51　ID：t4ujpajkGm

　木戸とかいう無能。浮気ツッマから卒業ついでにニラ※からも卒業せん？

※〇〇ハニーラビッツの略称

333：サヨナラ名無し　20〇〇年3月29日 1:17:03　ID：8G88eisJrT

　木戸君、その打球はプロ向きやないで。球団の同情枠とかもうええから。草YAKYUの方が伸びるって絶対。今から移籍しようや？

334：サヨナラ名無し　20〇〇年3月29日 1:21:00　ID：C1a8h5ri9N

　>>333

　それ採用、木戸くんにはワイと草YAKYUで勝負して負けたらニラ辞めてもらンゴ。けって〜い

以後、同掲示板内にて334は

「木戸くーん草YAKYUしようや〜ワイが今からお家行くで〜。ちな木戸くん家は◯◯都〇〇区〇〇の〇-〇-〇な」

「木戸くーんワイやワイ。今木戸くんのお家の前にいるンゴ〜。お、開いてるじゃーん。娘ちゃんはおらんみたいね。ほなお邪魔〜」

「木戸く〜ん。ほらほら〜ようやく満塁ノーアウトのチャンスやで？ああ、今一塁に木戸くんの右足、二塁に左足で三塁に頭がおるんよ。いやぁあのヘナチョコヘッドスライディングお前らにも見せたげたかったンゴ」

「木戸くーん……はあ。木戸くんがバット返してくれへん。そんなにワイに負けたのが悔しかったんか……お前らに報告や。木戸くんは草YAKYUもマトモに出来んカスや、もうニラに顔ださんって約束させたからな。ワイの仕事は終わったンゴ。ほなサヨナラ」

と、犯行の様子を生々しく書き並べていた。

なお馬頭氏が木戸家に到着した際、木戸氏の一人娘が帰宅していた。事件の第一発見者でもあった当時15歳の娘は、馬頭氏に声をかけられたものの放心状態にあり会話が困難であったため、警察到着後すぐに病院に運ばれた。

事情聴取の際、木戸の娘は

「わた、わたし。わ、ワイが、ワイがお父さんを。お父さん、家でYAKYUを、ワイと、ワイはワイは(以後、同じ主旨の言葉を繰り返し発言)」

「はい、わたしはYAKYUが好きです。あの日もチア部の練習終わりに友達とバッティングセンターに行って。……行かなければ、どうしてどうしてどうしてわたしは(自傷行為を始めたため聞き取り中断)」

「33433433433433433433433433433433 33433433433433433433433433433433 33433433433433433433433433433433334……(事件後1週間の日記内容。なお、看護師の独断で日記帳を回収したところ自身の血でシーツに数字を描き始めた経緯あり)」

など、支離滅裂な言動を繰り返し行った。医師によれば強いストレスにより精神的に非常に不安定な状態であり、捜査協力は困難なため精神病棟に入院することとなった。

事件から○年2ヶ月後の20〇〇年6月某日深夜、〇〇県〇〇区内の〇〇病院から木戸氏の娘が脱走した。娘は未だに行方が掴めておらず、未解決事件の捜査と合わせて捜索が続いている。