「俺は知事だぞ」

J・バウアー

 

 兵庫県の斎藤知事、端から見てると面白いですね。会見で涙ぐむなんて、自分は感情的になりやすいから感情的になって部下を怒鳴り付けたりしてたのは事実ですよって、認めたようなものです。自分は庶民とは違って優秀だと自認しているようですが、こんなことにも気づかないお間抜けさんです。こんなお間抜けさんには知事なんて重職を担うことなんかできません。ですが本人に辞める気がない以上、辞めさせるしかないのですが、都道府県知事を強制的に辞めさせた例はないようです。ここはひとつ、都道府県知事を辞めさせられた史上初の人ということで、歴史上に名を刻むといいのではないでしょうか。


 ところで表題の「俺は知事だぞ」ですが、このフレーズを言いそうな知事、サイトーさん以外にも居そうです。

 その一人が沖縄県のデニー・玉城知事

 辺野古訴訟の敗訴を受けて、

「俺は知事だぞ。選挙で信任された訳でもない裁判所ごときが偉そうに指図するな」

とか、言ってそうです。未だに態度を変えないことからも、信憑性が高いです。

 あと、過去の人ですが、横山ノック知事。

 学歴がなく原稿に書かれていた漢字が読めないので、ほぼ全てにルビが振られていたそうです。そんなだから高学歴の職員から見下された態度を取られると、

「俺は知事だぞ。分かってるのか」

とか言っていたかもしれません。いかがわしいことをしていた疑惑を残していましたから、意外と内部に敵を大勢作っていた可能性がありますね。


 それから大阪府知事といえば、橋下徹知事。

 この人ほど「俺は知事だぞ」って言っていた可能性の高い人は、いないのではないでしょうか。テレビ番組で人気を獲得、それによる認知度で2位以下を大きく突き放して当選した橋下氏は、政党や幹部職員が自分の考えにそぐわない発言行動したら、50%越えの得票率で当選した実績をひっさげて、このように言って反論を封じていたかもしれません。こういう使い方はカッコいいですね。でも、彼の弟子たちは、勘違いの入った選民主義者ばかりで、嫌気がさします。阪神とオリックスの優勝パレードのボランティアに職員の参加を促した吉村知事とか、批判の多い万博とカジノへ盲目的に突き進んだりすることとか、維新の会の暴走は目に余ります。創立者の橋下氏も少しずつ距離を取り始めてますね。


「俺は知事だぞ」

 この言葉は、使った人がどういう人か、有能な人が使えばカッコいいし、そうでなければ無様になる。そういう言葉なのではないでしょうか。

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「俺は知事だぞ」 J・バウアー @hamza_woodin

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