中秋の名月に捧げる短歌:書き下ろし

恨めしと 睨みつけたる 死神まんげつ

 きみは綺麗と 隣で笑う  


 ええ、ちょっとね、悲しいことがあったものですから。


 部活で飼っていた超がつくほどの長寿だった金魚が一匹、遂にご逝去なされてしまいました。月は死を司るなんて言いますが、中秋の名月の日に亡くなったのはある意味幸せだったのでしょうか。

 埋葬するとき、6時ぐらいに浮かんだ大きな満月を綺麗と思ってしまう自分がいた……全く、恨めしいものですね。この矛先が自分なのか月なのかは知りませんが。


 月、どうか金さんを安らかに連れて行って。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

すべては心の赴くままに(あっ……ファン川柳だとか諸々集です) 三門兵装 @sanmon-3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ