30 同じ風景の中で
あの時と変わらない場所。変わらない海。変わらない風景。久しぶりにレンズを向けられ緊張で顔が強張る。「変顔」「うるさいわね」あの時と同じ会話。通り過ぎる潮風に聞こえるシャッター音。貴方はあの頃と同じ無邪気な笑顔を見せて「早く戻ろう。綺麗に撮れたんだ」と手を引いてくれた。
薄尾ヶ原町の風景 140字小説版 tamn @kuzira03
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