08 そういう時もある

めっきり会話がなくなった息子の後ろ姿に、父親として抱くこの複雑な感情を抑え込んだ。誇らしく、嬉しく、寂しくもあるこの感情を自分の父も同様に抱いたのだろうか。「なぁ、親父」日本酒と二つの杯を片手に年老いた父を呼ぶ。変わらない息子として見て欲しくなったなんて言えるはずなかった。

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