由希は仲良し3人を理解できないが羨ましく思う

ムーゴット

由希は仲良し3人を理解できないが羨ましく思う

※本編を始める前に。

この作品は、R15を想定いたしました。

が、基準の判断がよくわかりません。

具体的なご指摘、ご意見を頂けますとありがたく思います。






回想:居酒屋にて。


大学2年の男子1名、女子2名、

3人とも保育園からの幼馴染同士で、

とは言え、ありがちな特別な恋愛感情はないから、

なんでも忖度なく話せる、

気遣いする事も無く、

今となっては一番の飲み友だ。

と、美乃花は思っていた。




男:中川 健太郎(ナカガワ ケンタロウ)


女:霞 晴子(カスミ ハルコ)


女:蓑 美乃花(ミノ ミノカ)




美乃花「今日は晴子の失恋記念の励ましの会だねぇー。」


晴子「もう二週間も前だからいいよー。」


健太郎「晴子!これで生涯3回目だね。」


晴子「もー数えなくていいからぁ、飲み会の理由が欲しいだけでしょ。」


キャハハハハ!


3人とも酔いが回ってきて。

涙目の晴子「だから、何で私じゃダメなのぉ、うぅ、、、」


美乃花「そうだよ、あいつは見る目がないんだよー」

美乃花も涙声に。


健太郎「そうだよー」


三人とも酔っ払って泥酔一歩手前。

美乃花「もー、ドライバーの健太郎が飲んじゃダメでしょう!」


健太郎「今日は運転代行呼ぼうって決めたじゃん。」


晴子「彼氏代行も呼んでーーーー」


健太郎「俺がいるじゃん。」


美乃花「私もいるよーー」




回想:帰りの車の中で。


照明に浮かび上がるゴージャスなラブホが見える。

晴子「ねぇ、あのお城寄って行かない?」


美乃花「あっ、私も一度見てみたい!」


晴子「運転者さん、行先変更!!」


健太郎は意識が飛んでぐったりしていた。







後日ところ変わって、夜のファミレス。

2人の女子の会話が始まるところ。

アルバイト先の先輩と後輩。


先輩「朋皐 由希(トモオカ ユキ)」は、

ちょっと年上で、一見、明るく活動的と見られる姉御肌。


後輩「蓑 美乃花(ミノ ミノカ)」は、大学2年、体育会系素直な元気少女。


2人は席に着く。

美乃花「先輩、仕事上がりのお疲れのところ、すいません。」


由希「いいよ、いいよ。さあ、改まって相談とはなぁに?」


美乃花「はい、経験豊富で素敵な大人の朋皐先輩に聞いてほしいのですけど。」


由希「おぉ、経験豊富かどうか知らんが。話を聞くぞ。」


美乃花「私、この間、幼馴染2人と一緒に遊んだんですけど、」


由希「ふんふん、《そっか、仕事の話じゃないんだ》」


美乃花「夜に3人で飲んでたんですけど、、、、」

下を向いて話が止まる美乃花。


由希「ケンカでもしたの?」


美乃花「飲んだ後お泊まりすることになって、

さ、、、ん、ピー、、、」


由希「ん、」


美乃花「サンピーになっちゃったんです。」


椅子からお尻が半分落ちる由希。


由希「《処女の私に聞くのかーーー》サンピーって、あの3P!?」


美乃花「たぶんその3Pです。」

天井を見上げる由希。


由希「男、男、女!?」

指を一本ずつ上げる由希。


美乃花「いいえ、男、女、女です。」

指を一本ずつ上げる美乃花。


由希「《ひぇーーー》三人の関係を詳しく教えて。」


美乃花「三人とも家が近所で、保育園からの幼馴染です。」


由希「ふむ。」


美乃花「高校は三人ともバラバラだったんですけど、

卒業後またときどき遊ぶ様になって。」


由希「三人の中で、そのー、男女のお付き合いとかはあったの?」


美乃花「ないです。でも、すっごい仲良しで。」


由希「ふむ。」


美乃花「家族ぐるみで仲良しで、一緒に旅行に行ったり。」


由希「ふむふむ。」


美乃花「小学校の時は一緒にお風呂も入っていました。」


由希「ほー。」


美乃花「三人で恋愛相談なんかもしちゃう仲で。」


由希「ほーほー。」


美乃花「幼馴染の女子は晴子って言うんですけど、

あの日も最近失恋した晴子の慰め会だったんです。」


由希「そーなんだ。」


美乃花「で、三人ともちょっと飲みすぎて、勢いで。」


由希「、、、、美乃花ちゃんは初めて?」


美乃花「初めてですよ!3Pなんて考えたこともなかったです。」


由希「念、の、ため、セックスは初めてではないのね。」


美乃花「う、、、高校の時の彼氏とかと。」


由希「《、、、とか、とか!複数いるのね》

今、美乃花ちゃんは彼氏とか、彼氏にしたいな、って言う人はいないの?」


美乃花「う、、、ちょっと気になるぐらいの人はいますけれど、いないです。」


由希「気になる人は3P相手の2人の中にいる?」


美乃花「違います、別の人です。」


由希「幼馴染2人もフリーなの?」


美乃花「そうです。フリーです。」


由希「じゃあ、3人だけの問題なのね。」


美乃花「健太郎、男は健太郎って言うんですけど、

健太郎と晴子とは、3人でお互い元々親友みたいな存在で、

それが今回のことで大親友になったと言うか、家族になったと言うか。」


由希「家族!?」


美乃花「お兄ちゃんであり、弟であり、お姉ちゃんであり、妹であり、みたいな。」


由希「《それで3Pではないでしょう!?》」

由希はおでこに手を当てて、自身を落ち着かせようとした。


由希「健太郎くんと晴子さんはどう思っているのかな?」


美乃花「たぶん、同じだと思い、たい、、、、」


由希「んー。」


美乃花「晴子とは今度は最初からお泊まりで旅行に行こう、って話が出ています。」


由希「おぉ、おー。」


美乃花「でも、健太郎はよそよそしくて、

あの後まだまともに話をしていないんです。」


由希「!そっか!ちょっとね、そうかもね。」


美乃花「とにかく、2人とも彼氏彼女とも違う、大好きな存在なんです。

でも、なんかいけないことをしている様な気がして。」


由希「どうしていけないことと思うの?」


美乃花「、、、なんだか将来、誰かが悲しむことにならないかと思って。」


由希「んーん。家族に知られたら、とか。」


美乃花「それもあります。」


由希「あと、将来、3人のうち2人が結ばれたら、とか?」


美乃花「あぶれた1人はもちろん悲しいでしょうし、

結ばれた2人も素直に喜べないと思うんです。」


由希「そうね、でもまた別にパートナーとなる素敵な人が現れるかもしれないよ。」

2人とも飲み物に手を伸ばし、一息入れる。





美乃花「ちょっと聞いていいですか?」


由希「どうぞ。《もう何言われても驚かないわ》」


美乃花「朋皐先輩は経験ありですか?」


由希「へっ!?《ここでバージンかどうか聞くの!?説得力なくなるじゃん!》」


美乃花「3P、ありますか?」


由希「ない、ない、ないっ!!!」

「ないのが大多数派だと思うよ。さすがに。」


美乃花「ですよね。」

ちょっと落ち込みモードの美乃花。


由希「でも、正直、私はあなたが羨ましいよ。

そんな大好きで大切な存在に、巡り会えたことが。

《一度に2人が良いのか悪いのか知らんが。》」


由希「実際、世界中には一夫多妻が認められている国もあるし。

生物学的には、ハーレムみたいなことが自然にあることだし。」


由希「《でも私にはありえないなー。

大体、ただでさえ恥ずかしいことなのに、

リアルタイムで別の女子と比べられたりするのは無理ぃ。

いや、それだけじゃなく、

他の女子が自分と私を比べるのが無理ぃ。》」


由希「今の気持ちを大切にしたらいいんじゃないの。

《あー私投げやりになってるわー》」






由希「ちょっと聞いてもいい?」


美乃花「はい、朋皐先輩。」


由希「由希でいいよ。」


美乃花「はい、由希、さん。」


由希「また旅行に行くとか言ってたけど。

その、、、、それは、よかったから?」


美乃花「はーぁーーーー」

顔が赤くなる美乃花。


由希「ごめん、変なこと聞いた。今の無しで。」


グッと前のめりになって、由希の手を握る美乃花。

美乃花「由希さん、聞いてください。」


美乃花「こんなふうになるなんて、

全く想像していなかったんですけど。」


由希は声を出せずに、大きくうなずく。


美乃花は顔を赤らめながら静かに一言。

美乃花「よかったです。」


由希「《ひゃーーーーー》ど、ど、どんな感じで?」


美乃花「晴子が、上手で。ほんと上手で。

お互いを知り尽くしているからこそ、というか。

痒いところに手が届くというか。

で、健太郎が可愛くて。

健太郎は初めてだったみたいで。」


由希も顔が真っ赤に。

由希「《そりゃ、健太郎くんかわいそー》」


美乃花「なんかいやらしい感じがしなくて。

楽しくて、楽しくて、幸せな夜でした。」






回想:ホテルの部屋に入る3人。

健太郎はまともに歩けないほど酔っている。


美乃花「うわー!大きなベッドだ!」

ベッドに飛び込む美乃花。続いて健太郎も倒れ込む。


晴子「ちょっと健太郎、大丈夫!?」


美乃花「健太郎飲み過ぎぃ!上着と靴は脱ぎなよぉ。」

美乃花と晴子は健太郎の服を脱がせる。


晴子「ちょっと美乃花、汗ビショだよ健太郎。お風呂入ろう、皆んなで。」


美乃花「えぇ、恥ずかしいよ、1人で入るよ。」


晴子「だめぇ、健太郎は1人で入れないよ。美乃花も手伝って。」


美乃花「やだ、恥ずかしい。小学生の時と違うんだよ。」


晴子「もう、今更何言ってるの。

お医者さんごっこで全てを見せ合った仲じゃない。」


美乃花「そうだ、健太郎ってオチンチンの横にホクロあったよね。」


晴子「あった、あった。

さあ、健太郎さん、ほくろの検査をしますよ。」


美乃花「晴子先生、手術を開始します。まずはパンツから。」


健太郎「、、、、やぁめろよぉ、、、」

うつろな健太郎。パンツを脱がされる。


美乃花「、、、ジャングルの中に隠れてる。

あった!ホクロ!ちょっと色が薄くなってないか?」


晴子「ホクロもいいけど、立派になったな!おチンチン!」


美乃花「昔はポークビッツだった。」


キャハハハハ!


健太郎「、、、、うぅ、吐きそう。」


晴子「ちょっと待て!美乃花手伝って。」


2人は左右から肩を貸して、健太郎をバスルームまで運ぶ。

便器と大きな浴槽が隣り合った、大きな広いバスルーム。

便座の前にしゃがみ込む健太郎。

優しく介抱する2人。

吐くもの出して、泥酔の峠を越した健太郎。

だが、四つん這いで、まだ立ち上がるのはシンドそう。

浴槽の前の3人。


晴子「よし、入ろ。」


美乃花「入ろ。」


2人も全裸になって、健太郎を左右から支える。


晴子「立てるか?」


美乃花「おチンチンか?」


晴子「違うわ!」


キャハハハハ!と笑う2人。健太郎もほのかに笑った。


2人に支えられている健太郎の右手が晴子の胸に、

左手が美乃花の胸に触れる。


美乃花「おっぱい星人だぁ。」


晴子「なにそれぇ!」


美乃花「うちのママが、パパはおっぱい星人だ!て言っていた。」


キャハハハハ!


3人はお互いに掛け湯をして浴槽へ。

2人に支えられて健太郎は湯船に沈む。

と同時に、健太郎の両手はもぞもぞ動き出す。


美乃花「ちょっと健太郎!どこ触ってるのよー。」


健太郎「おっぱいーーー」


晴子「やるかー。けんたろー、反撃するぞ!」


健太郎「おぉ、ぉ、ぉ、ぉ、」


美乃花「そういえば、健太郎って、こういうの初めてじゃないの?」


晴子「おねいさんにまかせなさい。」


美乃花「健太郎の方が誕生日早いよ。」


晴子「おにいちゃん、好き。」


健太郎「お尻、かわいい。」


晴子「おっぱい柔らかーい。」


美乃花「やーん!」


酔っ払いのおふざけは続く。

3人は複雑に絡み合って、快楽を求め合う。







美乃花「でも、最後まではしてませんから。

挿入はしてませんから。」


由希「、、、、わかった。その辺でいいよ。」


美乃花「、、、でも、恋愛感情とは違うんですよね。」


由希「んー。」


美乃花「なんか、そういうことをしても、

法律的にも、倫理的にも支障がない、

それが許される仲良し兄弟姉妹みたいな。」


由希「はー。」


美乃花「実際、小学生の頃にもお風呂でお互いに触りっこしてたんですよね。」

「男の子と女の子の違いに、興味深々でした。」

「気持ちいーー、とかは、なかったですけど。」


美乃花「頭撫で撫でのやりっこが嬉しくて、

その先を極めたら、こうなっちゃった、みたいな。」





回想:小学生の幼馴染3人。


晴子「健太郎えらい。」

晴子は健太郎の頭をなでなで。

健太郎は何かの入賞の賞状を手にしている。


健太郎「2人が手伝ってくれたからだよ、ありがとう。」

健太郎は2人の頭をなでなで。


美乃花「頑張ったね、みんな。」

美乃花も2人の頭をなでなで。





美乃花「なんだか、触れ合っているだけで、幸せなんです。」


由希「ごめん、私の想像を超えている。

それで幸せなら、それもありなのかもしれない。

でも、私には無理。、、、勉強になりました。」


美乃花「由希さぁーーーん。」






改めて、由希は考えた。

これまで、なる様になるから、と意識して努力してこなかった。


人付き合いは、苦手な方ではない。はず。

引っ込み思案な性格ではない。はず。

友達もいないわけではない。はず。

勉強も、アルバイトでも、人並み以上の能力がある。はず。

容姿だって、悪くない。はず。

メイクも服装も、人並みにはなっている。はず。


でも、恋人がいない。

彼氏いない歴イコール年齢。

どうして?


理想が高すぎるのかな。

好きな人はいても、大好きな人はいない。

何を差し置いても、告白したい、そんな気持ちになったことがない。

休みの日には、いつも一緒にいたい、そんな人がいない。


ちょっと方向性が違う気もするし、

私の見方が間違っているかもしれない。

でも、大好きで大切な人が、

同時に2人とはいえ、いや、2人も同時に存在するなんて。

美乃花が本当に羨ましい。






そんな思いを巡らし、すっきりしない日々の、とある日。

アルバイト上がりに捕まった。


「由希、今日は腹を割って話してよ。」

アルバイトの同僚で同い年、柘植 麻結子(ツゲ マユコ)が口火を切った。


麻結子「由希は一ノ瀬くんをどう思っているの?」


由希「《直球来たーーー》どうかなぁー。いい子だと思うよ。」


麻結子「なにそれ。そんなこと聞いているんじゃないことはわかるよね。」


由希「わかるけど、、、。わかんないのよ。」


麻結子「好きとか、付き合いたいとか、そういう気持ちはないの?」


由希「わからない。嫌いじゃないよ、もちろん。」


麻結子「私は、由希と一ノ瀬くんはお似合いだと思うの。

見ていれば一ノ瀬くんの気持ちもわかるわ。

由希がその気なら喜んで応援する。

でも、その気がないなら、私は一ノ瀬くんに告るよ。

後悔したくないから。」






後日、麻結子と一ノ瀬くんは付き合い始めた。

アルバイト先で仕事中、上司として2人を見守る由希。


由希「《麻結子、頑張ったね。》あれっ、、、」

涙が湧き上がる由希。


一ノ瀬くんの笑顔や言葉が蘇る。


由希「あ、私、一ノ瀬くんが好きなんだ。」


由希「後悔って、こういうことなんだ。」


由希「あの時、ああしていれば。今はどうなっただろう。」







この作品には、続編があります。

合わせてご覧いただけると幸いです。


●横断歩道は無くともパラレルワールドはある、かも?

(「パラレルワールドの不条理」シリーズ第4作)


● お城の舞踏会を無かったことに

(「パラレルワールドの不条理」シリーズ第6作)

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