◆Ⅳ終わりと始まり
「あなたは神官様ですか?」
床に膝をついて呆然と天を見上げていた男に問いかけたのは一人の女だった。男は焦点の合わない目を女の方に向ける。
「久しぶりに家を出たら、町から人が消えていて。何かご存知でしょうか?」
女の質問に男は応えずに立ち上がると、葡萄酒の張った床を歩いていく。女のもとまで歩くと男は女のことを抱きしめた。嗚咽しながら泣く男の震える背中を女は優しく撫でた。
フリーズ21 輪廻の箱 空色凪 @Arkasha
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