エピローグ「なるよ。」
電話をかける。
少し経つを繋がる。
「久しぶりです、母さん。はい三年ぶりです。連絡が遅くなりました。」
母さんは心配そうに話してくれる。無理もない、こんな性格になったのだから。
「元気に生きてます。ここ最近は色々ヤバかったけど。あ~あ父親関連です。なんとか止まりましたよ。俺が止めたわけじゃないですけど。」
あの後、銀花が俺でも驚くほどに反抗期に入り、半年以上の反抗によって、とうとう父親が折れた。けれどその影響か、父親も憑き物が落ちたように流れるままに石塚家と縁を切った。今までの何だったのかと思えてしまうほどだ。
「俺はこのまま行けば就職出来そうです。就職先の工場とは資格の話などで、良くしてもらえそうなので、母さんも安心してください。」
俺は母さんの現状は一切知らない。けど電話越しの赤子の声が聞こえるので、幸せを勝ち取ったのだろう。俺も嬉しい。
「そうだ、伝えない事がありました。」
これだけは言いたかった。
「義妹が出来たんです。はい、父親が再婚した際にです。凄くしっかりしてる女の子です。あ~大丈夫です。その子が父親を倒したので。」
電話越しに笑い声が聞こえ、母さんの鬱憤が下がったのも伺える。
「『ちゃんと守ってやるんだぞ』ですか?言われる前からやってますよ。」
色んな事を話した。
もっと前から話せる機会はあったが、自分に勇気が沸かず、今までしてこなかった。
あの一件で自分も乗り越えられたのだろう。今まで以上に気持ちが楽だ。
「今度会いに行きます。もちろん義妹も連れていきます。」
母さんも忙しいのか、そろそろ切るみたいだ。
「分かってますよ。
義妹を・・・、あ~違いますね。妹、大切な俺の妹を守れる兄になりますよ。」
新しく出来た義妹ぐらいは、守れる兄でありたい 焼鳥 @dango4423
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