14 光の矢
「お前は、魔王教団の同志だったのか……!?」
「違う」
うめくクーデリアに、俺はキッパリと言い放った。
「俺はこいつらを壊滅させる。ただ情報収集のためにアジトに潜りこんだだけだ」
「……あくまでも敵対するというのですか、レイヴン様……いや、レイヴン!」
ガイナードが叫んだ。
「だが、舐めるなよ! この俺は魔王召喚術を開発し、その過程でみずからに高位魔族数体の力を宿す術式を開発したのだ!」
その全身から黒い魔力の炎が立ち上る。
これは――!
「くくく、驚いたか?」
得意げなガイナード。
その姿が一変していた。
身にまとう魔力の炎が奴の体を大きく変質させたのだ。
今のガイナードは全身を黒い装甲に覆われ、巨大な剣や砲を装備している。
鎧というより、パワードスーツみたいな外観だった。
「知ってるよ。魔族の力を身にまとう術式【デモノギア】――ゲームの中盤ではこいつらが厄介だったんだ」
「げえむ……?」
「……いや、こっちの話だ」
俺は全身の魔力を高めた。
「まともな力勝負だと、確かにその術式は強い。だけど弱点もある」
俺はゲームに出てくる【デモノギア】を思い出しながら言った。
「【フラッシュアロー】」
光の矢を生み出す魔法だ。
威力は中の上といったところだけど、術者が狙った場所をピンポイントに撃てる『コントロール重視』の魔法だった。
ばしゅっ!
俺の一撃は奴の胸元に命中した。
だが、黒い魔力の装甲は傷一つつかない。
「無駄だ無駄だ」
ガイナードが笑う。
「お前も、それにそっちの魔法師団も、まとめて片付けてやろう。このアジトの場所を知った以上、俺たちに服従するか、それとも死か――二つに一つだ」
「どっちもお断りだ」
俺はふたたび【フラッシュアロー】を放った。
奴の胸元に命中し、またはじけ散る。
「だから無駄だと――」
「【フラッシュアロー】」
三発目、また奴の胸元で霧散する。
だけど、俺は四発、五発と【フラッシュアロー】を撃ち続けた。
普通の魔術師なら、ここまで何発も撃つことはできない。
【フラッシュアロー】一発でそれなりの魔力を消耗するし、魔法というのは連続で撃つと消耗度が一気に上がる。
だけど、俺の――レイヴン・ドラクセルの魔力量は常人をはるかに超えている。
その魔力量にあかせた力押しで【デモノギア】の『弱点』を攻略する――。
ばきんっ。
やがて、俺が放った三十七発目の【フラッシュアロー】が奴の装甲に亀裂を生じさせた。
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