第32話 決死の封印儀式

「玲二、時間を稼いで! 封印の準備はもう少しで完成する!」


セリーヌが必死に叫びながら、魔晶石の力を解放しようと儀式を進めた。玲二はその言葉に頷き、何とかして魔王の注意を引きつけるために全力で攻撃を続けた。


「俺たちで、必ず封じ込めてみせる!」


玲二とエリザは協力して魔王の攻撃をかわしながら、少しでも時間を稼ぐべく戦い続けた。魔王の攻撃は熾烈を極めたが、彼らは決して退くことなく立ち向かった。


「今だ、セリーヌ!」


玲二が叫んだ瞬間、セリーヌがついに封印術を発動させた。魔晶石が強烈な光を放ち、砦全体が魔法陣に包まれた。魔王の動きが一瞬止まり、その力が封印に引き込まれていった。


「我が力が……!」


魔王は驚愕の表情を浮かべたが、すぐにその表情は怒りに変わった。


「まだだ……まだ終わりではない! 次の世にて、必ず復活してみせる……!」


魔王の最後の叫び声が砦全体に響き渡ると、その姿は光に包まれ、封印の力によって再び消え去った。


魔王が封印された後、砦には静寂が戻った。玲二たちは、ついに世界を救うことに成功したことを実感し、ほっと安堵の表情を浮かべた。


「やった……終わったんだ」


エリザが疲れた声で呟き、剣を地面に突き刺した。セリーヌも魔晶石を手に取り、その力が再び封印されていることを確認した。


「これで、世界は救われたわ」


セリーヌが静かに言い、玲二は頷いた。しかし、彼の心の中にはまだ新たな決意が宿っていた。


「でも、これが終わりじゃない。これからも、この世界には多くの問題が残っている。俺たちは、それに立ち向かい続ける」

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裏切られた男、最強の力を手に異世界で逆襲を始める 白金豪 @shirogane4869

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