第2話:よろしくお願いします。

なわけで良介は決心した。

ダメ元で彼女に気持ちを告白しようと・・・ダメなのは困るけど・・・。


で、次の日・・・良介は彼女に・・・告れないまま1日が過ぎた。

斜め前の彼女の背中を見てその日は終わった。

なにやってんだ・・・こうしてる間にも哀川さんに魔の手が迫ってるかもしれないじゃないか・・・しっかりしろ良介。


それから、なんの進展も見られないまま一週間が過ぎた。

だけど我慢にも限界があった。


週が明けて月曜日・・・良介は昼休み、ドキドキで哀川さんの前に立っていた。


「え?なに?・・・藤井君?」


「あ、あの・・・話が・・・話があるんだけど・・・いいかな?」


「話?・・・うん、いいけど・・・なに?」


「あの、ここじゃちょっと・・・」


「え?・・・人に聞かれちゃマズいようなことなの?」


「あ〜周りに誰かいるとちょっと・・・」


「なんかヤダな・・・藤井君・・・もしかして私に告るつもり?だったり?・・・」


「あ・・・ごめん、もういい・・・まじでごめん」


見透かされてるじゃん、だからそれ以上はなにも言えなかった。

良介は黙って彼女の顔も見ずに自分の席に戻った。

恥ずかしかった。

哀川さんは僕の方を見てたけど、すぐになにもなかったみたいに前を向いた。


ダメだ・・・失敗だよ・・・終わったよ。

そこからはただ自己嫌悪・・・情けないし、悲しいし・・・なんでこうなっちゃ

うんだよ・・・バカな自分を責めた。


放課後・・・良介は意気消沈したまま、帰ろうとした。

そしたら校門のところに哀川さんが立っているのを見かけて、ヤバい!!と思って

良介は伏せ目がちに彼女を無視して通り過ぎようとした。

そしたら彼女から呼び止められた。


「藤井君・・・もしかして私のこと好きなの?」って・・・。


良介は思わず立ち止まった。


なんて言えばいいんだ・・・素直にそうだって言えばいいのか?迷った。


「今日の昼休み・・・藤井君、私に話があったんだよね?」

「私が、藤井君に私に告るつもりって言ったこと・・・図星だった?」


良介はなにも言わずうなずた・・・で言った。


「ごめん・・・もういいから・・・昼休みのことは忘れて」


「ふ〜ん、途中でやめちゃうんだ」


「え?」


「決めたことは最後までやらないと後悔するよ」


「そ、そうだけど・・・」


「私ね、煮え切らない人、嫌い・・・中途半端、優柔不断、そう言う人嫌いなの」


「そんなことないよ・・・僕は中途半端なんかじゃないし優柔不断でもないよ!!」


「分かった、言うよ・・・・」

「哀川さん・・・僕は君のことが好きです、え〜とよかったら僕と付き合ってくれませんか?」


そう言って良介は頭を下げた。

そしたら彼の頭に向かって彼女が言った。


「・・・・いいよ」


「え?・・・いいよって?」


「だから、いいよって言ってるんだけど・・・」


「うそ〜まじで?・・・待って、え?まじで?・・・僕をからかってないよね」


「なんでよ、なんでからかわなきゃいけないの」

「いいって言ってるでしょ・・・嫌ならいいんだよ」


「いやいや・・嫌じゃなくて・・・えと・・・じゃ〜じゃ〜お願いしますぅ」

「って、よろしくです・・・え〜?いいのかな?」


「なに?私が断ると思ったの?」


「いいよって言ってくれる確率めちゃ低いって思ってたから・・・」


「私、正直言って藤井君のことなんとも思ってないから」


「え〜?・・・じゃなんていいよって?」


「嫌いでもないから、だから付き合ってもいいかなって思って・・・」


「あ〜なるほど・・・」


「だって藤木君のこと、私そんなに知らないんだもん」


「そうだよね、普段挨拶くらいしかしないもんね」


「だから、お互い付き合ってみないと分かんないでしょ?」

「それからじゃない?」


「うん、そりゃそうだ・・・分かんないよね・・・そうだね、たしかに」


つづく。




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恋に必要な3つのing。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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