恋に必要な3つのing。
猫野 尻尾
第1話:哀川 姫羅。(あいかわ きらら)
恋の3つの要素。
それは出会い・進展の「Timing」お互いの価値観・感覚の「Feeling」
偶然の出来事・想像していなかった出来事の「Happening」
高校に入学したらクラスの女子を好きになるって誰にでもあること。
他にも幼馴染の男女数人が同じ高校に入学した。
思春期真っ盛りのふたりが話す話題は主に好きなアニメやゲームのことと好きな
女性アイドルやクラスの女子のこと。
頭の中は女性のことでいっぱい。
今はスマホやパソコンがあるから、動画を観ては余計欲求不満になっていた。
16歳男子の頭の中なんてそんなもの・・・それが正常だし普通、揺れ動く気持ちを
抱えながら汗かきべそかき大人になって行く。
で、良介には高校に入学してから、ずっと心に引っかかってることがある。
それは彼の斜め前の席の「
お互い中学は別々で・・・高校へ入学してから彼女と同じクラスになった。
そこから良介は
なにより彼女の眩しそうに人を見るあどけない表情にたまらなく魅力を感じた。
最初は淡い恋心だった。
好きだって思い始めるともう彼女のことばかりが気になり始めた。
まだ付き合ってもないのに学校で彼女に会えることにときめいて楽しかった。
彼女の顔や仕草を見てることが幸せでさえあった。
恋心が膨らんで来るとただ見てるだけじゃ我慢できなくなる・・・彼女のこと
を想えば想うほど、自分の気持ちを彼女に伝えたいって思う・・・でもその勇気が
出ないことに切なさが募った。
何度かは告白しようと思っていてもタイミングがなかなか掴めずにいた。
もし告白して断れれたらと思うとつい躊躇ってしまう。
それと言うのも彼女とは挨拶くらいはするけど、まともにしゃべったことがない。
そりゃ、毎日顔を合わすわけだから、お互いの存在は知ってる。
だけど彼女は自分になんか興味なんかないかもしれない。
彼女がクラスの他の男子や女子とは話したり笑ったりしてる姿を見るとうらやましくてしょうがなかった。
自分も普通に彼女と話がしたい。
誰にも言えない心に秘めた気持ちを良介はとうとう親友の正樹に打ち明けた。
「ああ、
「おまえが夢中になりそうな子だわ・・・」
「で、好きなのに告れないって?なんだよ・・・おまえビビってんのか?良介」
「だってよ・・・告って断られたらまじショックだし・・・」
「おまえは真面目だからな・・・」
「まだ告ってもないのに、そんなこと心配してどうすんだよ」
「もし告ってダメでもさ、クラスにいっぱい女子いるんだから哀川がダメなら
他当たりゃいいだろ?」
「そんないい加減な気持ちじゃないんだって・・・」
「じゃ〜どうしたいんだよ・・・告るのか告らないのは二つに一つだよ」
「行け行け、告って、ごめんなさいって言われて砕け散って来いよ」
「なんでだよ・・・おまえになんか相談するんじゃなかったわ」
たしかにいい加減な正樹に相談したって拉致があかないことだった。
心が押しつぶされそうなくらい
そんな気持ちを抱えたまま悶々と学校に通ってるんだ、もういいかげん決着つけないとストレスになるよ・・・。
正樹の言ったことは正しい。
告るか告らないか二つに一つ。
で、ある日良介はふと基本的なこと気付いた。
今はまだいい・・・今のところ哀川さんは誰とも付き合ってるふうはない。
でも、このまま僕が手をこまねいていてボーッとしてたら、いつか誰かが哀川さん
に告ってそれでもって彼氏、彼女って関係になって僕なんか付け入る隙が完全に
なくなって・・・そんなことになったら最悪だ。
僕の人生は終わったも同じ。
そんなのダメだ・・・。
哀川さんが誰かの彼女になるなんて・・・許せないし絶対想像したくない。
つづく。
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