『無人化!』

やましん(テンパー)

『無人化!』

  

 ぼくが子供時代には、バスには車掌さんが必ず乗っていた。


 しかし、高校生時代くらいを最後に、ほぼ、絶滅した。


 電車の車掌さんは、もっとあとまでいた。


 しかし、こちらも、やがて、絶滅したのだ。


 そうして、ついに、運転しなくても、車が勝手に走るようになった。


 さらに、21世紀前半おわり頃には、電車の多くも、勝手に走るようになった。


 さらに、飛行機、そうして、宇宙船も、勝手に飛ぶようになった。


 食堂も、図書館も、工場も、役所も、国会も無人化した。


 無人化は、とことんまで追及されたのである。


 ま、当分は、人類が基地などから監視していたが、やがては、監視もロボットさんがするようになり、運転もサービスも、監視も、乗り物を作るのも、会議も、すべて、お任せになった。


 人類は、様々なそうした活動からは自由になり、その分を学問、科学や哲学、芸術、さらに食事に費やすようになった。

  

 そうして、さらにさらについには、乗り物に乗る人類も、まるで、いなくなったのである!


 人類がいたこと自体も、いつか忘れさられていった。


 やがて、ついに、地球もなくなった。


 それから、太陽系もなくなった。


 銀河系もアンドロメダとぶつかってばらばらになった。


 はるか後には、宇宙全体が……



 まてまて、そりゃ、もう、おはなしに、ならないだろ。


 ぜんぶ、済んでしまう。



       おわり



     

🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇

 


          



    🐮🐽🐷🐑🐨











       


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『無人化!』 やましん(テンパー) @yamashin-2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る