ボクはキミ達と違う町で暮らす

第2話 チヤホヤされてそうな女。

勇敢そうな男たちが女を蹴ったり、殴ったり、引きずり回したり、あまり見ないレベルでボコボコにしている。服は破けて、中の下着も引っ張られて伸び切っている。

清々しいほどにボッコボコだ。

いろいろ中身が見えているが土で汚れてそれはもう悲惨な状態。清々しいほどにボッコボコだ。

普通はここに至るまでに

「ちょっと待ったーっ！」

とヒーローが登場して、あっという間に男たちをシバキ回して女を救うのが世間的な常識ではないだろうか。

ではナゼ彼女にはそんなヒーローが居なかったのか。

いいえ、居たには居たのだ。今まさに彼女を引きずり回しているのが、そのヒーローだったみなさん。

女は透き通るように白くキレイな肌と細くスラっと伸びた手足。目は青く美しい。悲鳴からでも分かる声の良さも好印象。絶対にモテる。

そう。伝わってくる、私は絶対にモテる感。

それだけでも僕からすれば大罪に値するが、女はこの手法で助けに入った男たちを順番に寝取っている。悲劇のヒロイン風悪女さんだ。

正義感のある男たちが連日この女に落ちている。

浮気をする男たちにも問題はあるが、この女は相当なものだ。

この光景はいろんなバランスが取れたそれぞれ納得のリンチともいえだろう。

僕は世紀末のような町に来てしまったらしい。

というか、隣町ってこんなにひどかったのか。

今日中にギルド登録を済ませておこうと思ったが、気持ちが萎えてしまった。

しばらくこの光景を眺めていよう。

ワンチャン助けに入るのもアリか。。