違和感 灯里side

 あの日から朋花には無視され、お互いに違うグループに入った。


 私は蒼ちゃんのグループ、朋花は前から仲良い子と一緒のグループか一人。


 あの日、私は朋花の話している意味が分からず、朋花を追って一緒に帰ろうとしたら、蒼ちゃんに呼び止められた。


『灯里さん、今、空いてる?』


『・・・・・・空いてるよ』


 朋花を見失ったから、そう答える。


『あのね、私、灯里さんのことが好きです』


 驚く私を置いて蒼ちゃんは続けた。


『灯里さんが私のことを好きじゃないことは分かっているから、もっと仲良くなりたいから友達になってくれませんか』


『えっと・・・・・・、まず、ごめんね。私は蒼ちゃんのことが恋愛的に好きではない、かな。あと、私は蒼ちゃんとは友達だと思っていたよ?』


『え・・・・・・!?』


 蒼ちゃんが驚いた顔をして私を見る。


『だって、いつも藍沢さんと話していると引き離すし、話してくれるけどいつも睨んでくるじゃん』


 よく見られてるなと感心しつつ、君に答える。


『それは、朋花が蒼ちゃんのことが好きだからで・・・・・・』


 色々拗れてたんだなと思いつつ、この日は蒼ちゃんともっと話して仲良くなろっという会話で終わった。



 あの日から、朋花へのメッセージは全て既読無視か未読無視。



 一生、真っ直ぐに両思いになれないんだろうな。


 監視カメラと盗聴機から私の写真を見つめる君を見る。

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Asahi-Yuhi @asahi_yuhi

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