第7話
ゆきは、ちらりと僕を見ながら、左手で何かを切るようにして言った。
「じゃあまた明日、部活でね」
少し暗くなった湖沿いを、ゆきとグラベルバイクが走り去っていく。
僕は、ゆきの背中が見えなくなるまで、ずっと眺めていた。
明日も僕は部活に行く。
でも、ゆきは僕たちが同じクラスだって気づいてないのかな。
「ゆき、おはよう」って言おうかな。
同じクラスだと知って、笑うかな。
明日も僕は、この海に似た、湖の近くの高校に行く。
汽水湖 @omuro1
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★30 エッセイ・ノンフィクション 連載中 6話
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