37:持ち込み案件があったらしい

「それではまた明日、出発の時間などはあとでメールで送信してくれたまえ」


「じゃあね~」



 普通に部屋に右隣の部屋に入っていった二人。マジでここに住むんだな……。


 ちなみに、部屋は空室、サラの部屋、俺の部屋、先輩たちの部屋って感じで並んでいる。


 それ以外の部屋は……サラの言葉的に空室になったんだろう。



「さて、送り出したし……今日のご飯について考えようか」


「ごはん……!」



 目をきらきらと輝かせるアル。


 昨日の牛丼をいたく気に入ったらしい。……ふふ、流石は牛丼屋だぜ。


 神の食べ物なので当然ですが、まぁ一旦TierSにしときますか。



「とはいえ、今日もまたデリバリーを頼むわけにはいかないしなぁ」


「罠がある」


「それもあるんだよな~」



 サラが張った罠があるので、おいそれと配達員を呼べない。


 せめてこちらからある程度指定ができるのならいいんだけど……。



「やあ、お困りのようだね?」


「……サラ、さっきのあれはどういうことだ?」


「外しそこねてただけさ! そんなことより周……今日のご飯に関して悩んでるんだろう?」


「お、おう」



 よかった、とサラは笑みを浮かべて、俺に二枚のチケットを手渡してくる。


 これは……レストランのディナーチケットでは?


 こわ、受け取れないわ……。



「おっと、返さないでほしいな。それは……ボ、ある人からキミたちへの依頼なのだからね!」


「ある人……?」


「そう。今度新装開店するレストランの宣伝をお願いしたいって依頼がね、ボク経由で来たんだよ」


「え? なんでサラ経由で……?」


「住所割れてるんだからそりゃそうなるでしょ」



 言われてみれば当然だった。



「あと、今日の配信でも分かったんだけど……周、キミのチャンネルには窓口が必要だよ」


「窓口って……?」


「レストランの企画みたいな感じで、キミたちに依頼を持ち込む人が今後増えるはずさ。その時、窓口が無ければ門前払いしてしまうことになるのさ」


「ああ、確かに。ポスト無いところって郵便物どう入れたらいいかわからないもんな」


「そう。だから、ボクが君たちに持ち込まれた企画の窓口、受付になろうと思うんだ。どうかな?」



 悪くない提案だ。


 最近サラは様子がおかしいけど、基本的に俺たちに迷惑をかけないように立ち回っているのはわかるし。


 任せてもよさそうだな。あと、今のところ女の子しかいないから男の子も欲しい……。


 なんかこう、きらきらふわふわ空間に浸りすぎると俺まで女の子になりそうだし。……なるわけないか、ガハハ!



「というわけで、今日の夕ご飯もまだなんだろう? このお店に行っておいでよ」


「そう言うことならありがたく……アルはそれでいいか?」


「ん……! おいしい料理、たくさんある?」


「行ってみないとわからないけど、企画を持ち込むだけあって味に自信はありそうだな」


「遅い、もう準備は出来てる。アマネも早く」


「はやッ」



 ……というわけで、レストランに行くことになったらしい。


 

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