君が横にいる朝

リュウ

第1話 君が横にいる朝

目が覚めた朝


横には君がいる


君の顔を見つめる


あまりにも無防備なので


笑いがこみ上げる



わたしのこと、好き?


訊いてみたくなる


きっと、君は「好き」と答える


本当なら、うれしいけど


今は訊かない



綺麗な鼻筋


顎から首の線


くぼんだ鎖骨


長いまつげ


触りたくなって


そっと指をのばす



その時、枕元のスマホが鳴った


急いで手を伸ばす


アラームを止めていなかった


君の鼻にわたしの胸がふれる


君は目をあけた


「ごめん、起こしちゃった」


君の息で、胸がくすぐったい


寝ぼけた目の君は


子どもみたいに微笑むと


わたしの背中に腕をまわして、抱き寄せる



君は、また目を閉じた


君の前髪をかきあげて、


顔を見つめる


そっと、瞼にやさしく、くちづけ


まどろむ時間


ずっと、このままがいいな




寝起きの匂い

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君が横にいる朝 リュウ @ryu_labo

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