裸のねぇちゃんが歩いていた
白川津 中々
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裸のねぇちゃんが歩いていた。
なんだこりゃ春か。
いや、よくよく考えると夏だ。今も汗をかき続けびしょ濡れ。不快ったらない。俺も脱ぎたい。
……脱ぐか。
即座に脱着。完全形態。見事に弛んだ中年ボディが光り輝く。いいよねいいよねねぇちゃん裸だし俺もなってもいいよねね、ね、ね。
「何やってんのあんた朝っぱらから」
「え」
公僕である。
公僕がやってきて俺を捉えるのである。
「何考えてんだ」
「え、だってだってあそこに裸のねぇちゃんが……」
いない。何処へ消えたぁ。
「なるほど、やってんねぇ」
「やってないです。暑さが、夏の暑さが悪いんです」
「分かった。分かった。じゃあエアコン効いた部屋で話そっか」
捕まった俺はこっぴどく説教され会社も休んだ。散々だ。
結局あの裸のねぇちゃんはなんだったんだろう。残る疑問。もしやこの世ならざるものだったのか。途端に悪寒。走る怖気。だが汗はかく。あっちぃなぁ今年は。
裸のねぇちゃんが歩いていた 白川津 中々 @taka1212384
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