ハッピーエンドだけが幸せじゃない

てんてん

最低なedが2人の高校生に




・今日から高校3年生の3学期が始まる、

外に出るだけでも嫌になる寒さで

味噌汁で温まっていた体も一歩外に出るだけで冷え切ってしまうほど

そんな寒さのなかわざわざ学校にいく理由も卒業間近の高校生には特に意味もない

登校しない、しなくてもいい生徒が多くなっていて大半の授業が自習で

僕は進路が決まっているため、特に焦ることなく暇な日々が過ぎていくが

もう高校卒業かぁ

とても寂しいような、嬉しいような

けれどこの意味のない登校に僕はむしろ、とてもワクワクしている


それは、きっと恋のせいだろう

1つ年下の後輩に恋していた





だがそれは、恋と呼べるものだろうか??












・高校3年の12月冬休みが始まる前。


寒い中仲良し3人組でお弁当を屋上で食べ終わり教室に戻っている時、

突然目の前で長い髪の毛を後ろに1つにして結びしていて、ご飯をあまり食べていなそうなくらい細い、そしてかわいい女性が立ち止まり、こう言いだした。


『 優君、ずっと前から好きでした。これ受け取って下さい。』


そう言ってその子は足早に去って行った

とても初々しくて、少し声が震えていた

受け取ったのは手紙だった。

手紙に名前が書いてある。


 朝日 アコ


手紙にはこう書いてあった。


[ 優くんへ

ずっと前から好きでした

付き合ってください。 ]



とてもシンプルで

なんの凝りもない

それでいてとても気持ちが伝わるものだった


実はこの子の事を僕は知っている。

学年は1つ下のバスケ部の子だ



そして


僕と仲の良い後輩のサキという女の子ととても親しい子である

そしてアコが僕に好意があるということは、なんとなく知っていた。

なぜなら、前からサキを交えて3人で喋るときサキの後ろにずっと隠れて恥ずかしそうにしているからだ。

あまり喋らない子なのか、

僕の姿を学校で見かけると、ささっと隠れてるのが分かる

ただの人見知りかもしれないが

好きか人見知りかの2分の1だとは思っていた


教室から外を眺めているとき、アコを見かけたので


『アコちゃーーん!!また明日ねー』


と声を出して手を振ると、

かなり遠くの距離にいたので声が届いたかは分からないが、

ものすごく照れたように手を振っていた

その姿が何がか忘れられなかった


そんなこともあり、僕はこの子を知っている


そして僕の気持ちもかなりこの子に向いている気がする

あの手を振り返してくれた姿は目を閉じる度に頭に過ってニヤッとしてしまうくらいに。


そうだ!手紙の返事をしよう


僕はお付き合いをした事がなく、

そういった事がよく分からない

もちろん告白はよくされる

だが、お付き合いとなるとよく分からない

付き合った事のがない理由は

単に好きな人に告白されなかったし

あまり人を好きにならない





・手紙を貰った次の日の朝


下駄箱で上靴に履き替えていると、

上靴に履き終え、アコ教室に向かって行っているあこが見えたので


『 アコ! 』


人目をはばからず、かなり大きめな声を出してしまった。

周りの人より、目先のこの子にとても思考が向いてしまっている

キョロっとこっちを向いて、オドついているのが分かる

急いで駆け寄り、挨拶をする


『 おはよう。』


『 おはようございます。』


昨日告白した後のせいなのか、いつもより恥ずかしそうにしている

というか返事する前にこぉいう時って話しかけていいのか?

兎も角2人きりで話す事はほとんど初めてなのだが

もう、授業が始まる時間ということと人目が気になるという事もあり、

話を端的に終わらす。


『 今日一緒に帰らない?』


これを言いたくて、アコを慌てて呼んでしまったところもある。


『 え、、はい!授業後待ってますね』


こんなにいい笑顔ができてこんなにはっきりとした返事が出来る子なのかと思った

その姿がまた初々しくかわいかった


『 じゃぁ、またあとで、』


一緒に帰ってくれる事になった

なんだか今とても胸がドキドキしている



・『 キンコーン・カンコーン・キンコンカンコーン 』


6限目の授業が終わり、帰りの準備をいつもより早く始める

今日の授業は全部集中できなく、

といっても半分は自習だったのだが、何もしていなかった事は確かでたる


自分でも分かる、上の空とはこの事だと

まるで恋でもしているかのようだ

というとかっこいいが恋してるに違いないのだ



お昼の時間では、いつも美味しくてすぐ食べ終わってしまう母のお弁当が今日は無くなるのが遅かった

いつも一緒に食べている友達には


『 お前恋してるな?』


と言われる始末


そうか、

恋なのか

まだなんなのかよく自分でも分かっていないような胸の高鳴りとモヤモヤしたような

恋とは不思議な気持ちだと思う


帰る準備をして、すぐ昇降口へと向かう。

そこに、壁に持たれながら両手でカバンを持ち立っているアコを見つけた

今思ったらバスケ部は今日ないのかなと思ったけど

居てくれてるって事は休みだったのか

とりあえず居てくれた事に安心した

いや、いるのは当たり前なんだけど、

なんだか嬉しかった。


『 アコちゃん 』


なぜかちゃん付けで呼んでしまった

いつも呼び捨てなのに、これは緊張しているのか?、


『 あっ、優くん^_^ 』


緊張と照れが混ざった嬉しそうな顔で僕の名前を呼んだ

なんだかいつもより可愛く見えてしまう


『 待っててくれてありがとう!帰ろっか!!』


『 はい^_^ 』


アコの声はいつも通り少し緊張しているように聞こえるが、一緒に居れる事がとても幸せそうな表情をしている。

僕はそんなアコを見て、ドキッとしてしまっているが、そんなのは見せないよう虚勢を張って、いつも通りカッコいい先輩を演じる


『 アコってどの辺に住んでるの?』


『 私は青木町2丁目のあたりですよ 』


『 じゃぁ、僕の通り道だ、家まで送るよ 』


『 ありがとうございます』


たまたま同じ方向だったので、よかったと思いつつ

あんなにいつも恥ずかしがっているアコが今日は普通のようだ。


と、思ったが、

いや、一緒に帰っているのに。距離が遠い。

2人の間に人が2人は入れそうなくらい遠い

アコも平常を保とうとしているが、恥ずかしいのかなと思う


なんだか昨日の事もあり、話が弾まず、沈默がたまに生まれてしまう

その弾まない原因の結末を話さなければならない


正直気持ちは決まってない。


『 昨日の返事なんだけどさ 』


『 あっ、その事なんですけど。すぐじゃなくても大丈夫ですよ!!優君にフラれて、気まずくなって、もう喋れないとかが1番嫌なので 』


『 なんだ、そうか、よかった。正直付き合うっていうのはまだ想像ができてないから、答えは出せなかったからさ。』


少し悲しそうな目をしているのが分かったが、それはもう割り切っていそうだし

なにより僕との関係を大切にしてくれているのがとても嬉しかった

僕は付き合ってもいいよと言いかけていたが、アコの方からそう言われたという事もあり実際付き合った事のない僕からしても少し時間は欲しかった。

けど見た目はすごくタイプだし、アコの事で頭がいっぱいなのに違いはない


『 はい、なので返事はまた今度で!!』


『 友達からというやつだね』


そんな会話を歩きながらしていると、アコの家の近くまできてしまった。


『 そうしましょう、あっお家あそこです!!ありがとうございます。家まで付いてきてくれて 』


『 いえいえ、あっ、冬休み一緒に遊びに行かない??』


と。


思わずデートのお誘いをしてしまった。

これは僕の正直な気持ちで、また会いたいと思ったから


『 もちろんです 』


『 じゃぁ、また明日学校で!!』


『 はい!さようなら 』


僕が家に着いてからベットに寝っ転がり、別れ際に交換していたラインで、挨拶をして

休みの日に行くデートの話をする

明後日の土曜日から始まる冬休み

その日に一緒に水族館に行くことになった


とても待ち遠しい。

そしてデート当日

デートはなかなか緊張してしたがとても楽しかった

アコへの想いはかなり強くなり、その後も何度かデートを重ねて、とても大切な存在になった






・そして3学期が初日が始まり登校する


卒業すれば離ればってなってしまう

何か繋ぎ止めておくための何かが欲しい


離れるのは避けたいため、これからもずっと一緒に居て欲しいと思ったので

もっと仲の良い関係になりたかった

それが最良の方法だと思った

そのため、3学期が始まって1週間後行動に出る事にする


ラインで明日の授業後に体育館裏に呼び出した

なんだか在りきたりな場所だが、人目がつかないのでそれがいいと思った



・『 キンコーン・カンコーン・キンコンカンコーン 』


約束の日の6限目の授業が終わり、帰りの準備を始める

今日の授業は全部集中できなく、

自分でも分かる、上の空という感じだった。

お昼の時間では、いつも美味しくてすぐ食べ終わってしまうお弁当の進みがとても遅かった。

いつも一緒に食べている友達には


『 お前恋してるな?』


と言われる始末。


恋か。

今ははっきり分かるこの気持ちの正体。

帰る準備をして、体育館裏へと向かう。

そこに、壁に持たれながら両手でカバンを持ち立っているアコが見えた。

良かった。居たよ。

いや、いるのは当たり前なんだけど、

なんだか嬉しかった。


『 アコちゃん 』


なぜかちゃん付けで呼んでしまった。いつも呼び捨てなのに、これは緊張しているのか?、


『 あっ、優くん^_^ 』


照れながらも嬉しそうな顔で僕の名前を呼んだ

なんだかいつもより可愛く見えてしまって、不思議な気持ちだ


『 待っててくれてありがとう!』


『 はい^_^ 』


アコの声はいつも通り少し緊張しているように聞こえるが、一緒に居れる事がとても幸せそうな表情をしている。


僕はそんなアコを見て、ドキッとしてしまっているが、そんなのは見せないよう虚勢を張って、いつも通りカッコいい先輩を演じる


『 アコ、あの時の返事をしたいんだけど。』


『 はい。聞かせてください。』


『、、、、、、、』


『、、、、、、、』


『 君とはセフレになりたい。』


『 ………… 』








*終わり











恋も愛も夢も


叶ったから最高のエンディングって訳じゃなくない??


バッドエンドだった映画もつまらなかったわけではないでしょ?


彼女にフラれてしまっても、


求めていた最高の結果じゃなくても


その人を愛していたその時間は


最高の時間だったでしょ?






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