第6話 愛情

”    家族と愛    ”


愛っていうのはいろいろある。家族愛、友愛、親愛、狂愛。家族のかたちにもいろんなものがある。でも正直なところ難しくてどれも分からない。それは平等なんかじゃない、それしか僕には分からない。分かろうと思った事もなかった。


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どれくらい歩いたのだろうか、。目的もなくただ歩いていたからかいつの間にか知らない場所に着いてしまった、。

(これは、、、。迷子になった、のかな?)

辺りを見渡してみたけどやっぱりそこは知らない景色であるものっと言ったら誰も居ない静かすぎるくらいの公園くらいだろうか。迷子になったのは今回が初めてというわけではないけど、完全に知らない場所に着いたのは初めてだった。

だって、いつもなら小狐君がいt……



「さ、最近小狐君見かけてない、、、!?」



こういうことは初めてだった。とりあえずこの完全完璧迷子の状態をなんとかしなきゃ。連絡すればいいのかな。

「えっと、携帯は確かポッケの中に入れて……あれ、嘘、携帯がない??」

そういえば携帯は治癒所に預けてるんだった。これは俗に言う詰み、というやつなのだろうか??いや、諦めるのはまだ早いよね、歩いてたらきっと知ってる道に行けるはず。






甘く見ていた、。ううん、冷静に考えればただひたすら歩くなんて無謀にもほどがある。いくらそれしか方法がないからってやるべきことじゃない、か……。

(このこと冬君たちに知られたら説教確定だろうな、)

まぁこんな事考えている暇なんてないんだけどね、。早くどうにかして帰らないと……

えっとこの道を行けばいい、のかな、。でもそれじゃさっきの二の舞い、意味がなさすぎる。ほんとに、、、どうしよ……



「叶葉……?」



「かな、と兄様……?」



なんで、どうしてここに?師匠に叶斗兄様のこと聞いたばかりだからなんだか気まずい……。でもなんで、というか名前呼んで、、、。

「……こんなところで何してるんだ?」

「えっと……迷子、です、。」

「ん……。」

すっと叶斗兄様が手を差し出してくる。何を思って手を差し出したのかがわからない、こういう時人の思考が読めたらなと思う。

「あの、この手は一体……?」

「治癒所に戻りたいんだろ?送る、それに手でも繋がなきゃまた迷子になるだろ。」

ああ、確かに僕は昔何回も迷子になっていた。その度に迎えに来てくれたのは叶斗兄様だった。だとしても今は違う、はずなのになんでこんなことをするのか僕には分からなかった。それでも迷っている暇なんてあまりない。多少のためらいを持ちつつも僕は兄の手を取った。







無言の時間が流れる。その空気がどうにも嫌で、それでも何かを言う勇気もなく状況を変えられなかった。そんな時だった、叶斗兄様が口を開く。

「……怪我の状態は酷くなかったか?」

「え、あ、うん、大した怪我ではない、らしいです。」

「そうか。それならいいんだ。」

まさか怪我の心配をされると思っていなかったからか拍子抜けてしまう。今までそういった心配をされなかったからなおさらだ。でも……





”      暖かいな……      ”





久しぶりに感じたぬくもりは暖かくて、でもどこか消えてしまいそうな感じがした、。

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