第4話 師匠
” 叶葉にとっての師匠 ”
師匠、それは学問や武芸、その他もろもろのことを教えてくれる先生みたいなもの。そして僕の師匠は水竜家の長男にして嫡男である叶斗兄様の同期といううやつだった、師匠は祓い屋として依頼をこなしながらも僕にたくさん教えてくれた。難点があるとすれば師匠は弟子、まぁ僕が好きすぎるとことヘラヘラしていてたまに適当なとこ。それでも師匠は強くて叶斗兄様と同じくらいの力はあると思う。僕にとっての師匠はこんな人、。
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「そろそろ叶ちゃんから離れろ、クソ兄貴!!」
「やだ♡」
「まぁまぁ、別に抱きしめられてるだけだから、大丈夫だよ、?」
「ほら叶葉もそう言ってるんだしいいでしょ?器の小さい男は嫌われちゃうぞー」
「は?久々にやりあうか兄貴。」
声をかけて抱きつかれたあとも師匠は僕のことをずっと抱きしめている、師匠いわく落ち着くらしいんだけど、僕を間に喧嘩するのはいつものことながらやめてもらいたいよな、、、。それに、
「柚君と冬君のこと嫌いになんてならないよ。」
「俺も叶ちゃんのことずっと好きだぞ。」
「へ……?」
小声でいったんだけどな、どうやら冬君には聞こえていたらしい。地獄耳かよ、、、。ぽけっと考えていたら柚君がなにかに気づいたみたいな顔して冬君にビシッと指を指し声をワナワナさせながら問いかけてきた。
「え、なんか叶ちゃんと冬君がいい感じになって、?」
「そんなわけ無いだろ」
「おい待て、師匠である俺には聞こえたぞ、いちゃついてただろ??」
「……まさか、そんなわけないじゃないですか?あと柚、叶ちゃんはお前に対しても言ってたぞ。」
(ん?冬君?さらりと暴露されてしまった、気が、。)
「そうなの!?ね、叶ちゃんなんて言ったの?」
(あ、ですよね、やっぱり暴露されていた、。そして直接言う羽目になってるんだけど。)
なんで言ったんだよの意を込めて冬君の方を見てみるとにやにやしながら見返してくる。こうなると分かってて言ったのが目に見える瞬間だった、なんか少しだけ悔しいや、。そんなことはさて置き、柚君の期待の眼差しがそろそろ痛い。これは覚悟を決めて言わないとなのかな、、、。
「……嫌いになんてならないよって言ったの、。」
「!!俺も叶ちゃんのこと嫌いになんてならないし好きでいるよ!」
にへらっと笑う柚君。
「そ、っか、僕も好き…です、。」
(なんでか分からないけど急に恥ずかしくなってきた、直視できない、。)
少しだけ赤くなった気がする顔を見られたくなくて師匠の方を向きムギュッと抱きつき顔を隠す。こうでもしないとやってられない気がしたから。
((( 何 こ の 可 愛 い 生 き 物 は っ )))
(今絶対失礼なこと考えられた気がする、、。)
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時間が経てば落ち着いてきた。それと同時に師匠を探していた目的を思い出した。
(こんなことしてる暇ないじゃん、。)
「あの師匠、本題なんですが聞いてくれますか?」
師匠から一度離れ本題へと入る。そうでもしないと話が進まないからだ。
「ん?もちろん、弟子の話ならいくらでも聞くよ。」
いつもの笑顔でこころよく了承をもらえた。僕は軽く深呼吸をし口を開く。
「僕の兄、叶斗兄様について知ってることを教えてほしいんです。」
空気が少し重くなるのを感じた。もしかして師匠に叶斗兄様の話はまずかったかな、一応ライバルだったらしいし。
「どうして知りたいんだい?あいつは君に酷いことをしてきた。そんなやつをなんで知ろうとしている?」
「それは、、、。」
言葉に詰まる、名前を、あんな風に呼んだ理由を知りたい。過去を知れば分かるかもしれない。そう思ったから。でもなんてつたえたらいいのかが分からない、。
「……この前の依頼であいつとなにかあったからか?」
黙り込んでいると見かねた師匠がぽつりと問いかけてくれた。
「はい、。その理由を知るためにも、聞きたいんです。叶斗兄様のこと。」
「……仕方ない。教えてあげるよ。」
やれやれといいたげな感じでも師匠は一言教えてあげると言った。
「ありがとうございますっ。」
「いや、なんてことないよ。ただこれを聞いたら叶葉が傷つく可能性もある。それでも聞く?」
(それでもいい、それでもいいから……)
「 はい、聞かせてください。叶斗兄様のことを、。 」
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