Chapter7♥

@夜、寝室。


 ――ホゥ、ホゥ

 外からフクロウの声。


 衣擦れの音。

 2人で腰掛ける、ベッドが軋む音。



「は、初めての夜……ですねっ?

 

 き、ききき、緊張なんてしてませんよっ!?

 こんなこと、お、大人のレディですから!?


 覚悟なんて、とっくにできてますから……っ!


 う、うぅ……。

 嘘です。

 もうずっと、緊張で……あなたの顔も……っ

 まともに見れませんっ!」



 両手で顔を覆って、くぐもった声のシノア。

 その手を取り、優しくキスをする。


「……あっ?

 んっ――

 ちゅっ……、ちゅぅっ……♡


 もう……。

 あなたも随分と、大胆になりましたね?


 え?

『騎士として、男として我慢し続けてきた』?


『今夜からはもう、容赦しない』……っっ!?


 わ、わたしっ!?

 どうなっちゃうんですかっ――!?


 あ、んぅう……。

 くすぐったいです、そんなに触ったら……。


 え? 

 夢でのお返し?


 そ、それを言われたら……断れないですねっ。

 ど、どうぞ……お好きに……、って、ソコはだめですっ!?

 くすぐったいっですってば! もうっっ!♡


 仕返しです!

 私だって、色々触っちゃうんですからね!?


 私も……アレでもすご~~く頑張って、我慢してたんですからっ!


 やんっ、ほっぺたダメですっ!♡

 ツンツンしないでくださいっ♡


 そんなことしたら……あなたの脇腹を……

 こしょこしょこしょっっ♡


 あはっ、あははっ。

 あーんなに強い『騎士さま』でも、ここは弱いんですね?

 こしょこしょこしょ~~っ♡


 ふふっ♡

 大好きです♡ 愛してます♡



 ……もっと、くっつきましょう。

 ぎゅうってしますから、あなたからもお願いします」



 衣擦れの音。

 ベッドに彼女を優しく押し倒す音。


「――んっ。

 ちゅっ。ちゅむっ♡


 はぁ……かっこいい……♡

 真面目な顔も、今みたいに、真剣な顔も。

 ぜんぶが好きです。大好き。愛してます……♡


 あたなも、ですか?

 ふふっ。とっても嬉しいです……♡


 もっとぎゅって、しましょう?♡

 

 ……私いま、幸せです……♡

 んっ、んっ、んっっ……♡」


 更けていく夜。

 遠くなっていく2人の声。



@深夜。


 ――ホー、ホー

 より深まった夜の気配。



「ふふっ。

 こうしてくっついて眠るの、ドキドキしますね。


 えっ?

『さっきまであんなに大胆だったのに』って?


 ――っ、つぎ、それ言ったら怒りますからね!?


 ……よろしい。

 

 ところで腕、大丈夫ですか?

 私の頭、重くないですか?


『なんともない』?

『むしろ幸せしか感じない』?


 もう、またそういうことを……。

 ……私もです。


 あなたの腕に抱かれて、あなたの胸に顔をうずめて……。

 んんんっ……。

 あなたのことを、全身で感じながら眠れるだなんて……。温かくて、いい匂いで、落ち着くのにドキドキして……。

 

 幸せすぎて、頭がどうにかなっちゃいそうです♡

 ふふっ、一緒ですね♡



 このまま眠って、朝には、あなたに「おはよう」って言って。

 これから毎日、こんな日々が続いていくんです。


 ――付き合ってもらいますからね?

 こんな『ふしだら』な私にも……♡


 ……もうあの魔術は必要ないけれど……。

 どうなさいますか?


 夢の中でも、また繋がりますか……?♡


 ――ふふっ。

 じゃあ、そうしましょう。


 おやすみなさい。

 かっこよくて、強くて、大切で、大好きな……あなたルビを入力…♡」




―――――――――――――――――

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【ASMR】夢見るクーデレ姫さまは、俺にだけ『ふしだら』が止まらない!? タイフーンの目 @brilliant7008

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