バーナーマン
炙ったカップ麺というものがある。どういう類のものなのかわからない俺は興味にそそられて円筒形のカップを購入した。白い地に赤と黒で「炙ったカップ麺」とある。
家に着くなり俺は炙ったカップ麺の作り方を、上蓋を半分開けて確認した。
どうやらそれには熱した油を注げばいいらしい。そんなことしたら容器に穴が開きそうである。
熱した油を注ぐと、ぼこぼこ音を立てて麺が炙られていく。蓋はするなと書いてあったので全部外した。容器は思いの外頑丈で、油を一身に受け止めて平然としている。俺は昨今の技術に感動した。
炙ったカップ麺は油そばのような感じで、それなりに美味い。油も麺が吸って、ベタベタすることはなかった。まあそれでも充分脂っこいが。
俺は腹が減っていたのもあって、あっという間に炙ったカップ麺を食べ切った。
翌朝猛烈な腹痛というか、灼熱感で目を覚ました。
俺はそういう表現とかじゃなくて本当に口から火が出そうになって、思わず外に出て息を吐いた。すると思い切り炎が吹き出し、庭に埋めてあった柿の木を炭にしてしまう。
こんなの何に使うんだ、と俺は呆れた。
その日から俺はバーナーマンというヒーロー活動に従事している。
ナンセンス:コンビニエンス・ノベル 夢咲蕾花 @ineine726454
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