君はいない

椿生宗大

愛を覚える予感がない

何があると言うのだろうか

授け物に胡座をかいて送る生活で

あれにもこれにも思いを馳せてみる

思いを馳せていた

考えてみた

そう考えて、考えて、考えた、はずだった

僕は今日何を思っただろう

古都に参って何を思ったろう

電車に揺られて

隣の可愛い子から目を背けて

いつの間にか眠りに落ちて

着いた新宿で

僕は何かを見ていたんだろうか

僕の失われた視力で

遂には何も捉えることが出来ないと言うことなのだろうか

あれもこれも目に映して全て欲して

そのうち見えなくなったそれも欲しくなって

僕はどこまでも貪欲になる

僕には何があるというのだろうか

何もないまま理想郷を思い描く

右に立つのは可愛い彼女で

左に立つのは綺麗な彼女で

向かいに座るのは大好きな人で

窓の外には物質的に豊かさと自然の豊かさを両立したどこかの街を思い描く

人がぎゅうぎゅうに詰め込まれた車両の中

誰一人不快な思いをしないよう

幸せとまではいかない快適さを誰もが享受できる社会があれば良いななんて善人ぶった思考を捨てれない

僕がこんなことを言ったって何も変わらないのは分かってる

僕の身分で言うことになんて何の信憑性も付いてこないのだから

だれも凡人に意見を聞こうともせず目で流すのだから

僕が無能なのに考えた気になって

それを主張に昇華もせずに自己満足の発信で終えるから

微々たる可能性も切り捨てた力無い言葉にしか乗せない弱腰だから

戦えない日本男児は息を潜めて呼吸する

相手にされないことを悲観して

それを正当化するために行動して

切り捨てた輝きに後に拘泥するのだ

惨めな運命論者は君の存在を信じている

仮想的に置き続けている

見続けてくれる神を

この目に映らぬ何者かが

きっと助けてくれると

シンデレラ気分の木偶の坊です


僕は考える

この数分で何もうめなかったことを

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君はいない 椿生宗大 @sotaAKITA1014

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