俳句の作り方に関する個人的な意見

俳句や短歌、はたまた詩やエッセイなどを摂取する生活が続いております、niwatori_chickenです。さて、今回は俳句など短い言葉で読者に伝える形態の作品について、その作り方に対する個人的意見を書こうと思います。例句を取り入れながら、上手に伝えられたらと思います。


まず、私の言いたいことを初めに言ってしまおうと思います。それは、「自分が何を言いたいか」を、「読者がどう感じるか」を考えて「言葉にこだわって」ください。そうすれば必ず良い作品になります。


自作の句を取り上げようと思います。説明のために表現を変えた句と並べ、番号を振ります。次の①〜⑥に示した句のニュアンスの違いを、あなたははっきり説明できますでしょうか。


①涼風や通学路今短くて(完成形)

②炎昼や通学路今短くて

③涼風や通学路今短かり

④涼風や今通学路短くて

⑤涼風や今や短い通学路

⑥通学路今短しや涼風かな


答え合わせです。

私がこの①の完成形の句で書きたかったことは、「暑い中、涼しい風が吹いてきた。(小学生の時に歩いていた)通学路は、(自分が成長した)今短く(感じられ)て、(自分が小学生だった時を涼しい気持ちで思い返すなあ)」ということです。括弧内は、文字としては作品に書かないけれど、そこも感じ取ってもらえたら嬉しいなという部分です。俳句や短歌などの作品を作るときは、こういった自分の書きたいことをはっきりとビジョンとして持っておくことが重要です。


同様の形式で②〜⑥の感じ方の違いを強調しながら、読む側の脳内に浮かぶことを書こうと思います。(読み手によって違いますが、基本はこう読まれると思ってください。)

②「焼けるような夏の暑い昼だ。(小学生の時に歩いていた)通学路は、(自分が成長した)今短く(感じられ)て、(小学生の時は長く感じられたはずの通学路を、よくこの暑い中で登校していたな自分は)」

③「暑い中、涼しい風が吹いてきた。(小学生の時に歩いていた)通学路は、(自分が成長した)今は短い(ように感じられる)。」

④「暑い中、涼しい風が吹いてきた。(自分はもう成長したので、)今通学路は、短く(感じられ)て、(当時から今まで成長したんだという事実を涼しい気持ちで思うよ)」

⑤「暑い中、涼しい風が吹いてきた。(昔に比べて)現在はなんと短い通学路になっているらしい。(どんな通学路かなあ。涼しくて新しい心地がするよ。)」

⑥「(小学生の時に歩いていた)通学路は、(自分が成長した)今短く(感じられ)るなあ。おっと、暑い中を涼しい風が吹いてきたなあ。」


かなり読み込んでも、これが限界です。いかがでしょうか。違いがはっきりと分かりますね。上に示したように、言葉の組み合わせや順番や表現の仕方によって、どのように読者に読まれるのかが変わってきます。俳句や短歌の詠み方の第一歩はここです。読者がどう感じるかを、自分で改めて考えるということが重要です。

最後に、いろいろ並び替えて試した句の中から、自分が読ませたいことに一番近いものを選びます。これが最後の仕事となります。ここで自分の伝えたいことがぼんやりしていると、どれにしようか迷ってしまいますから気をつけましょう。


以上のことが、私が俳句の詠み手さんたちに伝えたい内容です。ぜひ良い句を作ってみてください。私が喜んで見に行きます。また、こんなに書き連ねた私でも、意図しない読まれ方をされてしまうことがあります。それは私の書き方が悪いんです。つまりこの文章は同時に自戒でもあるわけです…。俳句の詠み手同士、互いに成長していきましょう!


(私もまだ俳句を始めたてのひよっこですから、本当は人に教えるような横柄なことをする立場にありません。傲慢ですみません。しかし私の意図としては、俳句を上手によんで楽しみましょうというただそれだけの思いです。どうかご勘弁を。今回はこれで終わりです。ここまで読んでくださってありがとうございました!)



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