二 追ゐ抜きし我驚ゐた後ろの視線

 あなたは、かのような体験をしたことがあろうか。

 幅の大きい田舎道を車で走つていたときのことである。私の目の前に現れしもの、それは、低速車であつた。法定速度50kmの所を推定30kmぐらゐの速度で走つてゐるらしかつた。私は余程のことが無い限り、前にある車を追ゐ抜かなゐ人間であるのだが、そのときは仕事に向かつてゐる時であつたので、時間的に余裕も無く、仕方が無く追ゐ抜きをした。追い抜きし後、バツクミラー越しに車間距離を確認したときのことである。

 私は唖然とした。

 その車の運転手はスマホを見ながら、全く前を見ずに運転をしてゐたのだ。そして、運転手は私が追ゐ抜ゐたことにさえ気づゐてゐなゐ様子であつた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自動車恐習所 村田鉄則 @muratetsu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ