二人なら……

@marude1123

死刑囚と刑務官

 私は…奴の事なんか、なんとも思っていなかった! 私は、刑務官で奴は死刑囚! よく知らないケド…とんでもない悪さをして死刑囚になっちゃったコマッタチャンだ。

 私の仕事は刑務官!仕事のコトは深く考えないようにしているから…奴の名前も覚えちゃいないホドの私も中々のワンパク者!

 奴は…もうこの世の中にはイナイ私の思い出の中に生きる奴、ここから思い出の話


 「先生…!」奴は刑務官を先生と呼んだ! 

「どうした?」

「聞いて下さいよー!!」と、奴は喋った、とっても面白い話を!ペラペラと!私は耐えられずに吹き出した!腹を抱えて大笑いした。 奴も私が大笑いしてとても喜んだ! 私が笑うと奴も喜ぶ!こうして刑務官と死刑囚!友情は育まれていった。  そしてお互いが「ボクたちズッ友だね!」と誓いあったとき、死刑囚が私に…スゴク面白い話をしてくれたが…話のオチを聞く前に刑は執行された! 今ではもう…どんな話だったのか覚えてない!グスン…悲しい

 奴が逝ってしまって最近のこと…地獄の存在が科学的に確実に証明された!というニュースが頭の中に飛び込んできた。

 奴も!刑が執行されて、そこに送られたと!地獄に逝けばまた会える! 地獄に逝かなければ奴に会えない! 奴の存在は…私にとって特別なモノになっていた! 私も地獄へ行こう!!

 そこで私は…死刑に相応しいワンパクをしでかした!奴にまた会いたい一心で…! そして…私も死刑が宣告された! そして、今は執行を待つ日々、私の生き甲斐はまた奴に会う事!

 そんな、また奴に会える日を待つ日々の早朝かもしくは夕方、房から出ろ!と言われた。そして…宗教っぽい人が私に何か話してる!

 お!コレは!?もう、いよいよか? 連れてこられたのは…! ドキュメント番組で観た事ある〜人を吊るすトコロだ! そこで私は顔に袋を被された。 胸がドッキン!ドッキン!している、私は「早く!早く!」とコールした!足踏みをした、何度も足踏みしてたら…気がつくと私は地獄にいた。

 地獄に着いて手続き?を済ませて奴を探す事に…すぐに見つかった。

「アレ?先生?何故にココに?」

「お前に会いに来たんだよ!」と言って私は奴に抱きついた!刑務官と死刑囚ならできないコトだ

奴の表情を見ていると明らかに引いている! 

「……先生!ココにいる!?という事は?」

「…うん!お前にまた会いたい一心で悪さをしてココに送られてきたんだよ!」

「あー」と表情が凍っているが…「…フフフ」と奴は笑い出した。そして「アハハー」と大笑いを始めて私もホッとした。

「ヤッパリあんた最高だな!」

「おう!二人なら地獄もへっちゃらだな」 

「そうだね!」

「あの時の話しのオチ教えろー」

「?…ぼくが先生にした話はその時限りの作り話だったから…?なんだろう?」

「マジかー!」「アハハ!」

そして二人は笑いながら地獄を駆け出す

「アハハ」「アハハ」「アハハ」「アハハ」 

「アハ」とココで目が覚めた! 

 目が覚めたこの場所は…死刑待機所の房の中!

夢だったのか?やれやれ、地獄に逝くのはいつになるコトやら… うん! テヘペロ♡


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

二人なら…… @marude1123

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ