恋すやも 徒なし九苦す 頑張り屋 嗚呼いとをかし 金縁よあれ
【解説】「これは恋なのか」「また新しい恋をしてしまうのかも知れない」と思い悩み、堂々巡りを繰り返す恋多き人々。傍目には「まあせいぜい頑張れ」程度の話でも、本人にとっては一世一代の重大事で、恋愛に人生の全てを賭けて努力し、「どうか黄金色に輝く良縁がありますように」と神様に願掛けしてしまうほどです。そんな「いとをかし」趣のある(?)色恋沙汰の苦悩、及び幸せを掴もうと玉の輿・逆玉を狙う心境を詠みました。
【秘密】この短歌には、秘密があります。そう、作品タイトルにある謎の文言です。『お花畑 (赤)』とは一体何でしょうか?「頭空っぽの共産主義者って意味かな?」・・・いいえ、違います。そのお花畑ではありません。本当の『赤い花』に関する秘密が隠されているのです。その秘密とは何か、紐解いて行きましょう。まず、この短歌を全て平仮名に変えます。そうして並べてみましょう。(以下)
こひすやも
あだなしくくす
がんばりや
ああいとおかし
かねえんよあれ
この平仮名にした短歌の、どこを縦読み!? いえいえ、今回は縦読みではありません。少し複雑なギミックです。次は、上の句と下の句に分けてから、並べ替えましょう。いわゆるアナグラムです。分かり易く、上の句からゆっくりやります。最初に、「ひ」と最後の「や」、「な」と「り」を入れ替えます。
こやすやも
あだりしくくす
がんばなひ
次に、一行目の「こ」「す」「も」と二行目の「し」「く」「く」を、それぞれ入れ替えます。
しやくやく
あだりこすもす
がんばなひ
これでもうお分かりでしょう。今度は下の句です。行間の入れ替えは一度だけです。「し」と「れ」を入れ替えます。
ああいとおかれ
かねえんよあし
概ね読めているとは思いますが、これだけではまだ完全には分からないかも知れませんね。特に下の句の一行目が難しいので、ここを最後まで並び替えてみましょう。まず、「と」と「か」を並べ替えてから、「あ」をひとつ一番後ろに持って行きます。
あいかおとれあ
最後に、「お」を2文字目に移動します。これで完成です! という訳で、この短歌の中には「芍薬」と「ダリア」と「コスモス」と「彼岸花」と「アオイ」と「カトレア」と「カア(ー)ネエ(ー)シヨ(ョ)ン」という、7つの『赤い花』の名前が隠れていたのです! いとをかし! いいえ、いと赤し!
今回は以上です。楽しんで頂けたら幸いです。
縦横無尽短歌2『Seven Reds』『とあか』『お花畑 (赤)』 武藤勇城 @k-d-k-w-yoro
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