真夜中
夜々檸々
真夜中
それは心地よい冷たさの寒い日の真夜中。
小さなサイドテーブルに置かれた間接照明のみが灯る薄暗い部屋。そんな空間で暖炉の火であたたまりながら飲む、ミルクと砂糖を入れて甘くしたあたたかい紅茶は最高だ。
それがいとおしい人と過ごす真夜中だから、なおさら最高だと思う。
小さなサイドテーブルに置かれた、おれといとおしい人のマグカップ。デザインは同じで緑と黒の色違い。
いとおしい人はおれを見てしあわせそうに微笑む。そして緑のマグカップを右手で取り、一口紅茶をすする。
「美味いな」
おれはそれを聞いてうれしくて微笑む。そして黒のマグカップを左手でとり、同じように紅茶をすする。
「美味しいね」
いとおしい人はそんなおれを眺めながらもう一口紅茶をすすった。
「おまえ好みの甘い味付けも悪くない」
そう、いとおしい人は楽しそうに言う。
「でしょー? これがおれは好き」
ちょっとした雑談を交わして、こうしてゆったりと過ごすのが、おれといとおしい人の冬の真夜中のしあわせ。
真夜中 夜々檸々 @066_NeiNei
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。