真夜中

夜々檸々

真夜中

 それは心地よい冷たさの寒い日の真夜中。

 小さなサイドテーブルに置かれた間接照明のみが灯る薄暗い部屋。そんな空間で暖炉の火であたたまりながら飲む、ミルクと砂糖を入れて甘くしたあたたかい紅茶は最高だ。

 それがいとおしい人と過ごす真夜中だから、なおさら最高だと思う。

 小さなサイドテーブルに置かれた、おれといとおしい人のマグカップ。デザインは同じで緑と黒の色違い。

 いとおしい人はおれを見てしあわせそうに微笑む。そして緑のマグカップを右手で取り、一口紅茶をすする。

「美味いな」

 おれはそれを聞いてうれしくて微笑む。そして黒のマグカップを左手でとり、同じように紅茶をすする。

「美味しいね」

 いとおしい人はそんなおれを眺めながらもう一口紅茶をすすった。

「おまえ好みの甘い味付けも悪くない」

 そう、いとおしい人は楽しそうに言う。

「でしょー? これがおれは好き」

 ちょっとした雑談を交わして、こうしてゆったりと過ごすのが、おれといとおしい人の冬の真夜中のしあわせ。

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真夜中 夜々檸々 @066_NeiNei

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