最終回第5話:生きる工夫をくりかえし
もう何度も力をわたして歴史が変わり続けた。
それは“アニウエ” のため。
自分たちの終わらない「
まずは
*
ひとりの青年は全てを格闘技にかけていた。
マイナースポーツになってしまうタイプの
その願いは“アニウエ”も同じだった。
いつからかおたがいの名前が分からなくなった。
仲が悪いわけじゃない。
青年たちは人間の歴史を集める必要があった。
だからといって青年たちは自分らを特別な存在とは思うことはなく、人間の
フィクションでは危険をおかして手に入れた力にはリスクや
“アニウエ”は青年を変わらない人間の負を修正する
力には力でしか
かつての青年である
*
また歴史が消える。
“アニウエ”様のために戦う
おそらく“アニウエ”様が人間として昔のように生活出来る可能性は少ない。
「今日はめずらしく
秋の高校生活はとくに苦しくもなく過ごしていそうだ。
「お前も消えた歴史の中でよく高校生活や大学生活を送ろうと思えたな」
いくら
「俺は教育係をまかされていて最近弟子も増えたからかちゃんとした人生を送ろうと思っただけですよ」
ちゃんとした人生か。
これ以上誰かが作った幸せを目指しても自分の幸せをえるためにしろ、もう頭打ちかもしれないのに。
自分がやっている格闘技の競技化によって多少
だからこそ
そこまでしても“アニウエ”が願った普通の生活にはほど遠い。
ただ
死んだとも言えるし生きているとも言える俺たちが住むこの世界は本当にいつも通りの日常なのだろうか。
「
ひとこきゅうおいて缶コーヒーを渡してくれた
「幸せではなくて、今とのおりあいをつけていくだけでも俺たちは誰かを救っているといえないですか?」
いくら成人が18歳に引き上げられたからって
彼の手から缶コーヒーをとり
「
いつも通り自分たちは
それでもかまわない。
いつか
いや、本当の人生を歩んでいるからこそ今も戦っていける。
消えた歴史のツケを払わされるというのなら俺が力を許さない。
すると
「俺もちゃんといますから。 俺たちで持ちたくない力とくりかえす歴史にいどみましょう。 なぜなら、リング外では戦いたくないから。 まちがってたらごめんなさい」
たのもしいやつ。
なら今日もできることをやるか。
それでも同じファイターとして、人間として手伝い続ける。
負の歴史がおそいつづけてこようとも。
〈了〉
アンチワンサイドゲーム 釣ール @pixixy1O
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