第10話
「先生、ですから、これは、洗脳による殺人事件だと思うのです」
彼は、丸眼鏡の奥、もじゃもじゃ頭の白髪交じりの灰色を、掻き上げながら首を振る
「君は、今僕を、洗脳できるか
洗脳して、人を、殺す事は出来るが
そのあとに、捕まらないと言う事はない
君は今確か32人のあれを、調べているんだろ
そんな事が、あり得るだろうか
君は、誰が犯人だと思う」
私は、先生の顔を見ながら考える
この人の考えていることは、少々違っている
犯人が、本当に、居たのだろうか
あのクラスは、自殺の類だったのではなかろうか
「私は、あれは、クラスによる集団パニックのような自殺行動だったのではないかと思うんです」
相手はやはり首を振る
「このクラスで、カルトのような、行動が、あったと言うのかい」
私は、首を振る
そんな情報は、得られなかった
もし、誰も気が付かれづに、そんな事が、起こって居たとしたら
警察の捜査は、ざるだったことになる
そんな情報は、載ってはいない
「君は、誰が犯人だと思う」
この人の顔をもう一度見ながら
「私は、この事件の犯人は、居ないと思うんです」
埒の開かない会話が、続いていた
ろくにんぶち イタチ @zzed9
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