第9話

「先生、大丈夫でしょうか」

小屋の中で、ウサギが、笑っている

皆、掃除をやりたがらない

その小屋の中で

私は、先生に聞いた

「この子、大丈夫でしょうか」

生まれたばかりの小さな生き物が、毛の生えた親の下で、うずくまって居る

「この子大丈夫でしょうか」

もうすべての子ウサギは、冷たくなっていた

多産のウサギは、すぐにまた別の子供を産みことだろう

しかし、このままでは、このウサギは、衛生上大丈夫なのだろうか

「この子大丈夫でしょうか」

ウサギは、草食性だときくが

子供を食べて、おなかを壊すことはあるのであろうか

子供が生まれてからもう三日過ぎている

腐っているかもしれない

「大丈夫だよ、まだ生きている」

ウサギは、次の日、少し大きくなって、小屋を跳ね回って居た

私の勘違いだったのだろうか

ただ、大きくなった小屋の中のウサギは、なぜか、親は、皆白いのに黒かった

遺伝の中に、過去に、黒兎がいたのであろうか

私が、小学校を卒業するまで、

生まれてくる子供は、皆、白色だった

実験の為、黒兎は、小屋から、逃がしたのだ



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