第8話


「お姉ちゃん、大丈夫」

久しぶりに、実家に帰ってきてみたが

姉は相変わらずであった

親は、下の階で、何か、テレビを見ながら、話し合って居るが、あれのことを、どう考えているのであろうか

昔は、少しは会話が出来たが

今の姉は、何一つ話さず

睨んだように、窓を見ている

「ねえ、おねいちゃん」

言葉は、部屋の中に反射して、私に帰ってくる

しかし、それは、酷くおもっ苦しい物に変化しているような気がする

「何か、欲しい物はある」

私の問いかけに、彼女は、何かの元素記号のようなものを、言った

何だろうか

私は、早速それをメモに取り、調べてみる

久しぶりにしゃべったのだ

私は、それを、何とかしようと、見てみると

あの事件の薬物と同じであった

しかし、それに気が付いたのは、それから、何年もたったのち

大学に入ってのことだった


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