第6話 尾生の信 芥川龍之介
「 ・・・
夜半、月の光が一川(いっせん)の蘆と柳とに溢(あふ)れた時、川の水と微風とは静に囁(ささや)き交しながら、橋の下の尾生の死骸を、やさしく海の方へ運んで行った。
が、尾生の魂は、寂しい天心の月の光に、思い憧(こが)れたせいかも知れない。ひそかに死骸を抜け出すと、ほのかに明るんだ空の向うへ、まるで水の匂ひや藻(も)の匂ひが音もなく川から立ち昇るように、うらうらと高く昇ってしまった。
…… 」
2024年9月4日
V.2.1
平栗雅人
韓国脳日本人 VS クルド人 V.2.1 @MasatoHiraguri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。韓国脳日本人 VS クルド人 V.2.1の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます