空からペンキ
ゴローさん
「ワシは、超絶・偉大な神である。そんなワシが一つ技術者を作った。それは、上空からペンキを流すことである。そこで命令だ。何色がいいか決めて、神社に報告しに来い!以上‼」
ある朝、こんな手紙がある村の各家のポストに届けられていた。
その後、みんな不思議に思いながら、「村長」と呼ばれて、崇められている人の家に集まった。
「迷惑な神様なこと!」 ある主婦がぷりぷり怒っている。
「まあまあ。その神様に何度も助けられてきたじゃないか。」その夫が苦笑いしながら、なだめる。
「でも、どうして急にそんなことを思いついたのかなぁ」
「伝説によると、その神は美術に畏敬の念を抱いている人が神に転生したらしいぞ。」
「とにかく迷惑な話だ。」
そうやって村人が話していると、村長の娘が出てきた。
「みなさんは何色がいいと思っているんですか?私はその日結婚式なので、鮮やかな色がいいと思っているんです。薄いオレンジとか空色とかでも一生良い記憶として残ると思うんです!」
そうやって村長の娘が言うと、周りの大人の顔色が少し明るくなった。
今まで神様の突然の迷言に困惑していたばかりだったが、こうしてこの出来事を前向きに捉えている若者を見ていると、自然と心が晴れ渡ってくるような気がしたのだ。
その後村長が出てくるまで、村人たちは村長の娘を中心に何色だったら良くなるのかについて話していた。
そして村長が出てきたときには、「エメラルドグリーン」を村長に推薦しようということで一致した。
村長が座席につく。
「村長。今回の提案についてなのですが、、」
「うむ。ワシは黒が良いと思っておる」
「な、なぜですが!あんな暗い色」
「ではそなたは何色が良いと考えるのか?」
「私どもは、エメラルドグリーンがよろしいかと。」
「そうか、エメラルドグリーンか。、、、オレンジとか空色とかではいかんのか。」
「いえいえ⁉そちらのほうが村長のお気に召されるのならばそちらでもいいです!」
「そうか。ワシはエメラルドグリーンもオレンジ色も空色身気になっておる。その全てを全部混ぜたら、、、黒になるではないか!ということで黒が良いと思うぞ‼」
「しかし」
「なにか異論はあるのか?」
「は、、、」
「んん?」
「滅相もありません!」
「そうか」
村長はその言葉を最後に席を立つ。
その村長を見送りながら、村人は浦飯気な視線を送る。
その視線の先で村の中で唯一はげている村長の頭がきらりと輝いていた。
今日の空は明るい。
空からペンキ ゴローさん @unberagorou
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