第4話
午後1時30分
店員が開始の合図と共にストップウォッチを作動させ、60分間の食べ放題が始まる。
俺は即座に皿を取り、目の前の肉料理コーナーに足を運ぶ。
そこにはシェフが目の前で焼いたステーキ、
油がジュワジュワと音をたてる唐揚げ、
きれいに層の分かれた豚の角煮、
赤身の映えるローストビーフなどが置かれていた。
俺はごくりと唾を飲み込み、大量の肉料理を皿に盛り付けると、まだご飯を取っていない無い事を思い出す。
(しまったな、ここでタイムロスしてしまうとは…)
このままご飯を取りに行くか迷ったが、
両手で持つのは厳しいと判断し、一旦机へ置きに行く事にした。
*
なぜ、同じミスでタイムロスをした?
なぜ、もう一度肉料理を食べている?
皆がそう思ったことだろう。
彼、
それは、2回以上ループするとループ時の記憶が無なくなる事。
分かりやすくするとこうだ
*
ビュッフェ 1回目
↓ ループ使用
ビュッフェ 2回目
↓ループ使用
ビュッフェ 1回目?
*
彼はこの欠点を知らずにループを多用した。
そもそも、これが何度目かすら分からない。
欲張った結果、彼はループの度に全てを忘れ、永遠にビュッフェを楽しむのだ。
まさしく無限ビュッフェ
「お、カレーもあんじゃん」
そう言うと、彼はカレーを取りに向かった。
無限ビュッフェ 鈴鹿 葦人 @hituki-nozomi
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