第3話

午後1時30分


店員の開始の合図と共に、俺は魚介類コーナーに向けて歩きだす。

道中、前回の記憶を活かし、先にご飯をついでおく。九井ここのい新保しんぼは学習できる男なのだ。


魚介類コーナーに着くと、

山の様に積まれた蟹の手、

美しく切られた大根つまに乗る新鮮な刺身、

トマトとパセリが映えるイカ墨パスタ、

海老と貝が規則正しく並べられたパエリアが置かれていた。

それらの料理を片っ端からよそう。


そして席につき、一つ一つを味わいながら食べた。




午後2時8分


(うぅ…口の中が磯臭い。)


どうやら魚介類を食べ過ぎたようだ。

一度口の中をリセットする為に、スープでも取ってこよう…。




午後2時10分


オニオンスープを取り終えた新保しんぼは「やっぱスープにはパンでしょ!」という単純な思考でパン類コーナーへ来ていた。


だが、前回クロワッサンがあった場所はひどく混んでいて近づけず、妥協して隣に置かれてた生暖かいマルゲリータピザを持ち帰る。


(思ってたのじゃないな…)


不満げな顔をしながらピザを口に運び、


「…うっっま!」


前回食べたクロワッサンを超える旨味に感動していた。




午後2時27分


次はアイスを取りに行こう。そんなことを考えていた俺のもとに店員が現れる。

あぁ、時間だ。


(まだ全部食べ切れてないのに…)



仕方ない。試した事は無いが、もう一度だけ戻ってみよう――



――――――――――――――――――――


次回、新保しんぼ君が最終回である事に納得してくれ次第投稿します。

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