第2話

午後1時56分


新保しんぼは目の前の肉料理を食べ終わると、口内の脂っこさを解消したくなり、サラダを取りに向かった。




スープコーナーの端にサラダを発見した新保しんぼは、ついでに何かよそって行こうと考えていた。


「お、カレーもあんじゃん」


目に留まったのはカレー。

普段は我慢していたが、今日はチートデイ。

迷わず皿を取り、表面張力ギリギリまでカレー入れこんだ。


「とりすぎたかな…」


一度両手を空けるため席に戻ろうとした。

が、その道中で店員がハンドベルを鳴らしながら焼き立てのクロワッサンを持って出てくる。


新保しんぼは動くたびに少しずつ落ちる表面層、食用を掻き立てる甘い匂いに惹かれ、進路を変えた。


(鬼に金棒、カレーにパン!最強の組み合わせだ!)


周りに人が来る前にそそくさとクロワッサンを3個取り、席へと戻る。




料理をあらかた食べ終えた頃、店員から終了の合図がでる。


もうそんな時間か、そう思い見た時計の針は2時27分を指していた。

終了時刻からは少し早い、だからといって食べれる物があるわけでもない。


ここで粘っても致し方ない為、あとは次に託す事にした。




何も無い壁と見つめ合い、集中する。


(………………)


しばらくすると、心が空になり、一瞬眠った時のように視界が暗転すると――



――こんなふうに戻ってこれる。

我ながら便利な能力だ。


時刻は午後1時27分

店員から説明を受ている最中に戻った様だ



――――――――――――――――――――


次回、新保しんぼ君が店員の説明を聞き終わり次第投稿します。

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