無限ビュッフェ
鈴鹿 葦人
第1話
9月24日―給料日を目前に控えたこの日
クシャクシャの五千円札を握りしめ、
(先月の給料、調子に乗って使い過ぎた…。
でも、今日は週に一度のチートデイ。好なものを、好きなだけ食べたい!)
「ぐぬぬぬ…」
たった五千円で色んな料理を食べれる店…
真剣に考え続けている
「ビュッフェだ!」
そうと決まれば即行動
スマホで「〇〇市 食べ放題 5000円以下」と調べ、一番上に出てきた店へと向かった。
*
先に会計を済ませて、店員から説明を受ける
制限時間は60分。その間は食べ放題らしい
(う〜ん、5000円で1時間ポッキリか…たった1時間じゃ全部は食べ切れない。けど!)
俺には超能力がある。
といっても瞬間移動とか、サイコキネシスの様な目に見えてすごい能力は持っていない。
強く願うと60分だけ時間が戻せる能力
それだけ。
持っている事を誰にも証明出来ない
そんなパッとしない力だけど、今一番欲しい能力を聞かれたら迷わずこれを選ぶだろう。
*
午後1時30分
店員が開始の合図と共にストップウォッチを作動させ、60分間の食べ放題が始まる。
俺は即座に皿を取り、目の前の肉料理コーナーに足を運ぶ。
そこにはシェフが目の前で焼いたステーキ、
油がジュワジュワと音をたてる唐揚げ、
きれいに層の分かれた豚の角煮、
鮮やかな色をしたローストビーフなどが置かれていた。
俺はごくりと唾を飲み込み、大量の肉料理を皿に盛り付けると、まだご飯を取っていない無い事を思い出す。
(しまったな、ここでタイムロスしてしまうとは…)
このままご飯を取りに行くか迷ったが、
両手で持つのは厳しいと判断し、一旦机へ置きに行く事にした。
*
その場で軽く両手を合わせ、料理が冷める前に口に運んだ。
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次回、
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