シュンカンノシトウ
「こっちだ、ついて来いセレン」
酒場を出たセレンは、ガウェインに連れられて、暗く
街の
「おい、ガウェインどこへ行くつもりだ!?」
しばらく進むと、だんだんと建物が
「町の中で喧嘩できるわけが無いだろ。ちょうど良いところがある。黙ってついて来い」
街を
「!? なんだ、ここ……。まるで、墓場じゃないか……」
そこは
まわりを見回すと、すぐそばに平たい岩場があったので、セレンはマントを取り、仮面を外して、荷物と一緒にその上に重ねて置く。
さらに少し先に進んだ障害物のない場所で、ガウェインが手招きをしている。
「あれから、もうすぐ三年になるか? 多少は
セレンが近づき互いに見合った所で、ガウェインは
「戦いの前に一つ面白い話をしてやろう」
それからしばらくの間ガウェインは、始めて出会ったあの夜、セレンの身に起こった事、それに関して己の知り得る限りの情報、そして自分の過去、今の目的を語って聞かせた。
「僕がそのクロノ!? あの夜、僕は……」
セレンは両手で自分の
「この場所こそ、その時の戦場だ。
ガウェインはその足で地面を
「
ガウェインは、セレンから少し距離を取って正面で立ち止まった。
「ここは、かつて戦士だった俺が死んだ場所だ。そして今日、俺はこの場所でかつての
ガウェインの表情が完全なる野生の其れに変わる。
獅子は片足を後ろに引き、半身になり構えた。
「セレン! 今から俺は、本気でお前を殺しに行く! だからお前も、本気で俺を殺す気で来い! アクロを助け出したければ、俺を倒して
セレンが顔を上げ、目があった
ガウェインは大地を
飛びかかったガウェインの右拳がセレンの顔面を
直前の会話に
回転気味の拳のため左右に
先程の拳は相手を後ろへと逃がすための
先に
まんまと
……かに思えたが、二年半、
十数メートル後方に吹き飛ばされ、地面を転がりはしたが、セレンは
セレンは切った口の
やはり、相手は
今日まで
そう
「どうした! セレン! 逃げていては相手は倒せないぞ!」
ガウェインは己の目的を達成する為に、セレンをクロノへと
その為にはセレンにダメージを与えながらも、戦う気力は
ガウェインは動けずにいるセレンに対して、
「お前の武器はそのスピードとバネ、そしてその爪だろう、俺のこの
そうアドバイスして、
ガウェインの話を聞きながら、セレンは頭の中で作戦を組み立てていた。
「最初の約束通り、俺を倒せればアクロの居どころを教えてやろう、だが倒せなければ、俺に殺されてそこでお前は終わりだ!」
ガウェインは攻撃のヒントを与えつつ、セレンの
(あの夜の
セレンはガウェインを
そして、次の
一気にガウェインに向かって自ら
それと同時に、以前と同じパターンの攻撃が来ると
「……!?」
そこにあったのはセレンの
セレンが正面から超スピードで突っ込み、一瞬、上へ飛び上がるフェイントを入れた為、前回と同じ攻撃が来ると心理的に釣られていたガウェインは、まんまと引っ掛かってしまう!
セレンは
「……!!」
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