ボーイミーツ──
未だ、森の闇が太陽の光に溶け残る
──風が吹くと、ひんやりして
そんな事を考えながら、
黒く
吸い込まれそうな黄色い
少年は
──長くて綺麗だ……。何て言ったかな……雲? 空に浮かぶアレより白い。東の山頂に積もる……雪? アレ位まっ白だ──
何やら空を見上げ、
──泥で汚れてる。でも、
今度はソレをのぞき込み、固まったまま
──母さんのも白かった……。短かったけどふわふわして気持ち良かった。温かかった。幸せだった。大好きだった──
目を閉じて、ニヤけだした。
──あれ? 何で頭だけ……? 身体には生えていない……。
小さなあごに手を
──眠ってる……? 息が小さい。
──まだ、少し温かい……。ぷにぷにでやわらかい……。女の子だ! 若いな……僕と同じ位かな?
近づき、恐る恐る身体に
──とても綺麗だ……とても──
少年は少女に
しばらくして我に返り、為すべき行動を開始した。
「大丈夫!? ねぇ、君! 返事はできるかい!?」
ゆっくりと少女の上体を
──
少女を
「ここじゃ
「ムウゥ……。たす──けて──み……ず……」
かすれた声で、少女が小さく
「えっ!? 気が付いた? 待っててね──良かった……。ちょうど……今、持ってるんだ……!」
腰のベルトから
「ほらっ! 水だよっ!」
──やっぱり準備は大切だ……──
──今日も助けられた……──
幼い頃──母に貰ったちょっとしたアドバイス──少年はいつものように感謝する。
「ムウゥ……」
少女はまた、
──よしっ! 急ぐぞっ!──
少年は少女を背中に
暗く深い森の奥──緑の葉で
「ムウゥ……。ンッ……? ここは……
小屋の中で、少女が目を覚ます。
先ず最初に、
少し
目だけ動かせば室内がほぼ
「ムウゥ……?」
少女は
──床に置かれた
──
ベッドと接する壁の、小さな四角い窓から外を
──この
ベッドの
ベッドの対面の机に向かい、何やら
「ムウゥ……?」
そのシルエットは
──この家の中では腰を曲げずに立ち上がれないのではないだろうか……?──
──頭が小さくて美しいが……あれは耳だろうか……?──
そんな事を──少女は思った。
「良かった! 目が覚めた!?」
そう言って、こちらを振り返る二つの大きな黄色い瞳──。
──やっぱり耳だ……。黒い猫? この状況は……? 確か、知らない森の入口で倒れて……。それとも私……今、夢を見てる……?──
少女は目の前に立つ少年に、恐る恐る、話しかけてみようと試みる。
「黒猫さん……?
しばらく眠っていたからか……少女は少しだけ声を取り戻していた。
「夢じゃないよ……。ここは
優しそうな表情で、ゆっくりとした穏やかな声で、少年はこれが現実である事と、自分に害意はない事、そして、少女が必要としているであろう多くの情報を丁寧に教えてくれた。
「
少女は
「……」
少女は乾いた唇を閉ざしてしまった。
二人の間に沈黙した空気が流れる──少年は少女に、彼女の怪我の容態について説明する。
「──君……足首は
「……」
そう質問したが、
──あの
「
そう言って、少年は少女の立場を
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