黒猫のセレン〜約束の旅〜
小桜八重
プロローグ
シロイカミノショウジョ
月光を
虫の
ベチャベチャと音を立てる
全身に
少女は森に入り
ふらふらとそこへ歩み寄り、
鼻を突く
「ムウゥ……」
(白髪のクロノヒトは
胸を
「本当に……許せない」
一度、
全身を
「
守るように
しばらく進むと月明かりが差し込み、顔を上げると、キラキラといくつもの星が夜空に輝いて見え、美しい。
(良かった……貧しくて……)
一瞬、自分の
(でも……小さい頃……スラムで覚えた
うつむき、腰のポケットに
(
(逃げ出す
先程から、何度か後ろを気にしながら進んでいた。
「もう、
声を出そうにも、かすれて小さくなり上手く出せない。
しかし、雷のような音ならお腹から響いている。
(水は飲めた……。けど……野草や木の実しか食べてない……一昨日からなんか熱っぽいし……頭がボーッとする……)
汗を
(長い間……世界を回って
「ムウゥ……。キモチワルイ……」
(今、世界のどの辺りにいるの? いつか世界を見て回るのが夢だった。
(肌の色で
上を向き、
「ムウゥ……」
しかし、
(足の裏が痛い……足首も、頭も、身体中が痛い……。熱い、水が欲しい、お腹も空いた……。なんだか……まぶたが重い)
再び、歩き始めようとするが力が入らない。
(疲れた……)
小さな身体が
(少し……)
「すこし……だけ……ねむ……らせて……」
かつて、世界は人間が全てを
その文明は今より遥かに
彼らは多くの国々に分かれて暮らし、その
だがある時、彼らは東と西に分かれ、かつてない大戦を始める。
世界に人間が増えすぎた為、土地も
争いは数十年ほど続き、ほぼ全ての人間が世界から消える形で終結した。
いくつもの強烈な光、巨大な爆発、東西で、世界中のいたる所で。
築いた高度な文明も、自然も、全て吹き飛ばす爆風。
大地は炎で焼き尽くされ、空を黒く塗り潰す
世界は人間が住めない死の大地となり、奇跡的に生き残ったわずかな人間は、残された小さな島々に逃れる。
それから……長い……長い時が流れ……死の大地で異変が起きた。
そこに残されていた生き物達に変化が起こり、人間に似た姿へと
彼らは以前よりも
生き
両者はやがて、かつての死の大地の上で出会い、時に争いながら
その後、人間は
北方に誰も立ち入らぬ『毒の大地』を残しつつ。
新たな世界にかつてのような高度な文明はない。
この世界ではヒトによって広められた
世界の始まりが、一つの
今、世界はかつての時代のように多くの問題で
『
言葉を発さず
二足を持たず
地に
天を
世界の
神はクロノカクノミを
それは禁断の毒の
……を……した……に……に……しき……を……
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